2026年9月7日から9月12日までの1週間で、JinaCoinが報じた暗号資産(仮想通貨)ニュースを振り返る。
今週の軸は米国の立法だった。クラリティ法案の審議入りを問うクローチャー投票が15日に迫るなか、修正案が公開され、財務長官が上院に前進を促した。並行して銀行や決済大手がステーブルコインとトークン化へ動き、その裾野は米地銀からイタリア、インド、日本の地方銀行にまで及んでいる。一方で相場は上値を抑えられ、盗難と詐欺の摘発も目立った。
クラリティ法案、15日のクローチャー投票へ
「名ばかりDeFi」にCFTC登録義務──クラリティ法案の修正案が公開
上院共和党が全630ページの全面代替修正案を公開した。人や集団に支配されている取引プロトコルにCFTCへの登録を義務付ける内容で、民主党の要求を115件超反映したとする。ただし争点の倫理規定は7月案からほぼ変わっていない。
米財務長官、暗号資産のクラリティ法案の前進を上院に要請
ベッセント財務長官がXで、交渉のテーブルに留まり議事進行動議に賛成するよう上院に促した。15日の投票は60票が必要で、共和党53議席では最低7人の野党賛成を要する。予測市場は年内成立を低く見ている。
ハイパーリキッド系団体、CMEのCFTC提訴の棄却を要請──永久先物めぐり
ハイパー・ファウンデーションの出資で設立された非営利団体が、CMEの訴訟棄却を求める意見書を提出した。争点は米規制下で初めて承認された永久先物契約だ。
銀行と決済大手が相次ぎ動く
米大手銀行、自行ステーブルコイン「USBDC」で実取引──ステラ上で送金
U.S. Bankが自行発行のステーブルコインで、北米と欧州の拠点間の送金を実行した。パブリックチェーンのステラを使い、凍結やクローバックといった統制機能まで検証している。
地域銀行1,000社がステーブルコイン対応へ──コインベースがMoovと提携
コインベースが決済基盤のMoovと組み、1,000社超のコミュニティバンクと信用組合にステーブルコイン機能を提供する。銀行側は暗号資産用の技術スタックを構築せずに済む設計だ。
ペイパル、PYUSD上で独自トークン発行を可能に──処理額すでに154億円
ペイパルがPYUSDを土台にした開発者向けプラットフォーム「PYUSDx」を立ち上げた。ローンチ時点で3社が稼働し、処理額は1億ドルを超えている。
インドが社債トークン化で「世界初」──日本のST債とは何が違うのか
インド証券取引委員会が、社債をブロックチェーン上で発行しCBDCで決済する「Demat 2.0」を稼働させた。3社が計102億5,000万ルピーを調達している。
山陰合同銀行がセキュリティ・トークン発行を検討──地銀初、証券口座は不要
山陰合同銀行とNTTデータ、セキュリタイズ・ジャパンの3社が、社債型STによる資金調達モデルの検討を始めた。証券口座を開かずにネットバンキングから小口投資できる設計を想定する。ただし発行が決まったわけではない。
伊大手銀ウニクレディト、暗号資産カストディを検討=報道
イタリア最大手行が暗号資産の保管と仲介への参入を検討していると報じられた。同行はすでにVCトレードへ出資し、37行によるユーロ建てステーブルコイン構想にも加わっている。
国内は規制強化と撤退
新しい送金先にはすぐ送れない──コインチェックが15日から制限
金融庁と警察庁の要請を受け、新規登録した送金先アドレスへの送金に一定期間の制限がかかる。制限期間は非公開で、早期解除も受け付けない。GMOコインは8月29日から24時間の制限を導入済みだ。
東証上場ReYuu Japan、BTC・DOGE全売却──提携先abc社も既に処分
暗号資産トレジャリー戦略の終了を決議し、保有していたBTCとDOGEを全量売却した。撤退理由には、保有額を基準とする企業価値評価への投資家の慎重な見方を挙げている。
メタプラネット、新株予約権の潜在株式を41%削減──市場の反発受け再修正
1個あたりの対象株式数を696株から410株へ再変更した。8月18日に潜在株式数を固定したばかりの再修正で、自社のmNAVを検証したうえで基準日を2025年9月1日へ巻き戻している。
金融庁への暗号資産トラブル相談、4〜6月は1,374件──7割は「損をした後」
相談は前期比6.3%減となったが、内訳では「個別取引・契約の結果」が72.1%を占めた。詐欺的な投資勧誘の情報提供はピークから35%減ったものの、82.4%が被害ありと申告している。
相場は8万ドルの壁に阻まれる
ビットコインに「8.6万ドルの壁」──抜ければ急騰の燃料に=グラスノード
長期保有者の取得単価、ショート清算の集中帯、ETFの損益分岐点という3つの指標が8万3,000〜8万6,000ドルに重なると分析した。一方で足元の売り圧力は8月ピークの半分以下にとどまる。
コインベースCEO「ビットコインは底打ち」──次の半減期まで上昇基調と予測
アームストロング氏がブルームバーグ・テレビジョンで、今サイクルの底は見たとの見方を示した。同社の軸足は決済やトークン化など価格変動に左右されにくい分野へ移りつつある。
CPIでビットコインの上値重く、資金も流出に転換=コインシェアーズ分析
デジタル資産投資商品への資金が先週の13億ドル流入から、今週は2億4,300万ドルの流出へ転じた。同社は米国債の買い戻しが金利を下げられずにいることが、逆に長期の支援材料になりうるとみる。
8月の暗号資産市場は17.6%増の421兆円へ──ただし「金利トレード」=バイナンス
8月の拡大はETF流入が支えたが、上昇は金利環境に強く左右されたと指摘した。9月はCPIとFOMC、クラリティ法案の討論終結動議の採決が集中する。
盗難と摘発が相次いだ週
ビットコインのサイドチェーンで500億円流出──実行者は「ホワイトハット」名乗る
リキッド・ネットワークから約4,000BTCが引き出された。運営側はサイドスワップのPAKを経由したとし、ネットワーク自体の侵害は否定。ブリッジノードを一時停止した。
XRPHウォレットで26万XRPが流出──ステーキング機能がシードを外部送信
4,011のウォレットから26万7,664XRPなどが失われ、被害額は約45万2,000ドルに達した。資産はNEAR Intentsやユニスワップを経てDAIへ換えられている。
「汚れた現金」を暗号資産に──英当局、ロシア系資金洗浄網で129人逮捕
麻薬取引などで生じた現金を暗号資産へ換えるネットワークを摘発した。制裁回避のためキルギスの銀行を買収しており、英国内だけで2,500万ポンド超の現金と暗号資産を押収している。
ウクライナ当局が暗号資産詐欺網を摘発──主犯は25歳のIT専門家、月1億円超
偽の投資話で資金を集める詐欺網が摘発された。主犯は25歳のIT専門家とされ、月1億円を超える資金を動かしていた。
ビットコイン強奪狙う誘拐事件、関与の男に禁錮15年──米連邦地裁
コネチカット州で起きた誘拐事件で、計画・指示役に実刑判決が下った。誘拐されたのは、数億ドル相当のビットコイン窃盗に関与した人物の両親だった。
そのほかの注目
ハンター・バイデン氏のミームコインLAPTOP発行──一時8,000%高後に99%暴落
ジョー・バイデン前大統領の次男が関与するミームコインが発行された。一時300ドルを超えたが約40分後には2ドルを割り、取引参加者の80%が損失を抱えた。
上場9カ月半でドージコイン現物ETFが閉鎖へ──ビットワイズ、年内10本を整理
「Much wow」と打ち出したETFが1年足らずで畳まれる。同社は今年10本のETFを整理しており、顧客資産もローンチ時から4割減った。
米政府が量子4社に最大4億ドル──ビットコインとイーサリアムは耐量子化を加速
米商務省が量子コンピューティング企業4社と支援契約を結んだ。一方でビットコインはBIP 360と361、イーサリアムはEIP-8288で耐量子化を進めている。
ロビンフッドCEO「株式トークン化に発行体の同意は不要」──AMC係争の渦中で論考
テネフ氏が、原株の権利や株主名簿を変えない別個の商品なら発行体の同意は要らないとの立場を示した。同社は9月3日にAMCから取引停止を要求されている。
DeFi大手Curveの融資、清算入りでも中央値14.5日生存──「清算=終了」の常識覆す
602の借り手アドレスで計704件のソフト清算が記録され、清算レンジにとどまった期間は中央値14.5日だった。4分の1は38.9日以上続いている。
Base AppがCoinbase Walletに回帰──マルチチェーン取引へ軸足
コインベースが約14カ月でBase Appの看板を下ろした。SNS主体の路線から、チェーンを問わない取引プラットフォームへ方向を変えている。
※本記事は2026年9月7日から9月12日までにJinaCoinで公開した記事から抜粋してまとめたものです


