国内最大のビットコイン(
BTC)トレジャリー企業メタプラネット(3350)は11日、第10回新株予約権の発行要項を再変更したと発表した。1個あたりの対象株式数を696株から410株へ減らすもので、同日の取締役会で決議し即日効力が発生した。8月18日に潜在株式数を固定したばかりの再修正で、開示では株主および資本市場関係者から意見が寄せられたことを理由に挙げている。
残存潜在株式数は55.5%減
再変更により、本新株予約権に係る潜在株式数の総数は3億1,946万4,000株から1億8,819万株へ、1億3,127万4,000株減る。減少率は41.1%にあたる。
すでに行使された分を控除した残存潜在株式数で見ると、削減幅はさらに大きい。2億3,664万株から1億536万株へと55.5%減少する。
希薄化後の指標も改善する。完全希薄化後1株当たりビットコイン保有量は0.0263554から0.0286646へ8.8%増える。BTC保有量は7月2日の開示以降、4万3,000 BTCで変わっていない。
あわせて同社は、8月18日に示していた長期役職員インセンティブ・プランへの移管方針を全部撤回した。最大9万個を新たなインセンティブ・プールとする構想だったが、新制度を別途検討するとしている。
自社のmNAVを検証し、基準日を巻き戻す
今回の削減は、対象株式数を算定する基準日を2026年6月30日から2025年9月1日へ変更したことで生じた。基準日を1年近く巻き戻した根拠として、同社は自社のエクイティ・ファイナンスをmNAV(企業価値の純資産価値に対する比率)の観点から検証した結果を挙げている。
開示によれば、2025年半ばまでに実施した増資はmNAVが数倍となる水準で実行され、完全希薄化後1株当たりBTCの増加に大きく貢献した。一方、2025年9月の海外募集とその後の第三者割当は、mNAVが1倍を小幅に上回る水準での実行にとどまり、BTCイールドへの寄与は小さかったという。
この検証を踏まえ、取締役会は調整条項の適用対象を2025年8月末までに限定することが、役職員と株主の利害を一致させるという当初の目的に最も整合すると判断した。
そのmNAVは足元で1倍を割り込んでいる。JinaCoinの独自データでは11日時点で0.63倍。時価総額3,190億円に対しビットコイン評価額は5,102億円で、1株当たりNAV398円に対して株価は249円だ。

CEOの行使済み分も調整対象に
新株予約権の保有内訳も開示された。取締役1名が27万6,000個と全体の60.1%を保有し、執行役2名が14万1,000個、従業員2名が4万2,000個と続く。
すでに2名が合計11万9,000個を行使し、変更前の1個696株に基づいて8,282万4,000株の交付を受けている。このうちサイモン・ゲロヴィッチCEOは8月28日に9万2,000個を行使し、6,403万2,000株を取得していた。
410株を前提とすると、交付済みの株式数は3,403万4,000株分多い。同社は交付済み株式の返還や消却は行わず、今後の行使で取得できる株式数から順次控除する方式をとる。ゲロヴィッチ氏が今後行使できる株式数は4,912万8,000株となる。
権利確定していない分については、新たな行使制限も設けられた。3分の1ずつに分け、それぞれ2029年8月18日、2030年8月18日、2031年8月18日から行使可能となる。
行使価額1株10円に変更はない。11日の株価249円とは24.9倍の開きがあり、残存1億536万株の払込総額10億5,366万円に対し、株価換算では262億円に相当する。
ただし取得した株式には2031年8月17日までのロックアップが適用され、直ちに売却することはできない。


