ハイパーリキッドのエコシステムを支援するハイパー・ファウンデーションの出資で設立された非営利団体ハイパーリキッド・ポリシー・センター(HPC)は9日、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が米商品先物取引委員会(CFTC)を相手取った訴訟について、その棄却を求める意見書(アミカス・ブリーフ)を米コロンビア特別区連邦地裁に提出したと発表した。
争点は、米規制下の取引所で初めて承認された永久先物(パーペチュアル・フューチャーズ)契約であり、暗号資産(仮想通貨)デリバティブの米国展開を左右する訴訟だ。
CMEはなぜCFTCを訴えたのか
この訴訟の発端は、CFTCによる永久先物の解禁にある。CFTCは今年、米規制下の取引所として初めて永久先物契約の上場を承認した。5月には米予測市場プラットフォーム「カルシ」にビットコイン(BTC)建て永久先物の上場を認め、CMEを含む米デリバティブ取引所が同種の契約を上場できると確認している。
永久先物は、満期のない先物契約だ。従来の期限付き先物と同じく、標準化された条件を持ち、中央のオーダーブックで取引され、証拠金を必要とし、登録された清算機関を通じて清算される。
異なるのは、原資産の価格に連動させる仕組みだけである。永久先物は「ファンディングレート(資金調達率)」と呼ばれる定期的な支払いによって価格を追随させる。
ところがCMEは、この承認を覆そうと提訴した。HPCは、CMEが自ら新商品を提供しないのは自由だが、他の取引所の判断まで裁判所に委ねさせる権利はない、と批判している。
「革新を止める訴訟」とHPCは主張
HPCの意見書は、CMEの訴訟に2つの欠陥があると指摘する。1つは、CMEに訴える資格(原告適格)がないという点だ。CFTCの承認は市場を分割したのではなく拡大したものであり、CMEに具体的な損害は生じていないという。むしろCMEにも新たな市場参加者と競争する事業機会が生まれたとする。
もう1つは、CMEの利益が商品取引所法(CEA)の保護する範囲の外にあるという点だ。同法は責任ある革新と取引所間の公正な競争の促進を目的としており、競合他社の革新を妨げようとするCMEの利益は、その目的に反すると主張している。
HPCは、CMEが勝訴すれば深刻な事態を招くと警告する。今後CFTCが承認するあらゆる新商品が、現状維持を望む既存業者からの訴訟を招き、米先物市場の進歩が停滞しかねないという。
この訴訟は、暗号資産業界にとっても他人事ではない。HPCは、CFTCがハイパーリキッドのようなパブリックブロックチェーン上で取引・清算・決済するオンチェーン市場を国内に取り込もうとしていると指摘し、同様の商品が既存業者から同じ挑戦を受けうるとしている。
今回の意見書では、元訟務長官のエリザベス・プレロガー氏が代理人を務めた。
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