米共和党のシンシア・ルミス上院議員らは14日、暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定める「クラリティ法案」の最終案を公表した。現地時間15日には、同法案の審議を進めるための手続き投票が予定されている。
ただ、最終案の公表後も関係者の意見はまとまっていない。民主党が追加修正を求める一方、銀行団体や複数の州司法長官も法案の内容に懸念を示している。
倫理規定など民主党の要求を反映
ルミス氏らの発表によると、最終案には超党派協議を通じ、民主党側の要求を受けた126項目の変更が加えられたという。具体的には、大統領や連邦議員、連邦判事、その配偶者を対象とする倫理規定や、ソフトウェア開発者を送金業者としての登録義務から保護する規定が盛り込まれた。
ただし、民主党側との合意には至っていない。ルミス氏は14日、ソラナ・ポリシー・インスティテュートが主催したイベントで、民主党が最終案にもさらなる変更を求めていると説明。「これ以上良い内容にはならない」と述べ、現案への支持を呼びかけた。
なお、法案の審議入りには、手続き投票で60票以上の賛成を得る必要がある。コインデスクによると、ルミス氏は必要票を確保できるか見通せておらず、民主党との調整が採決までにまとまるかが焦点になっているという。
銀行と州司法長官は保護不足を指摘
採決を前に、法案の内容を巡っては金融業界や州当局からも修正を求める声が上がっている。
米銀行協会(ABA)など8団体は14日、恒久的な規制枠組みの必要性には同意しつつ、決済用ステーブルコインの報酬規制を強化するよう上院に要請。現行案には利息に似た報酬を認めかねない抜け穴があり、銀行からの預金流出や地域の融資縮小につながる可能性があると主張した。
法案にはこうした事態に備え、預金流出が一定規模に達した場合に財務長官が対応する仕組みも盛り込まれている。しかし8団体は、実際に資金が流出してからでは遅いとして問題を未然に防ぐ規制が必要だと訴えた。
一方、州当局は暗号資産詐欺への対応力の弱体化を懸念している。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、ほか17人の司法長官からなる超党派の連合を率い、法案への反対を表明。州による暗号資産事業者の登録制度や詐欺への執行権限が制限されるほか、米証券取引委員会(SEC)に州の登録権限を覆す裁量が与えられかねないと警告した。
最終案は1年以上の協議を経て公表されたが、民主党との調整に加え、金融業界と州当局の懸念が残っている。15日の投票を通過した場合も、法案の具体的な修正を巡る議論は続きそうだ。
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