ビットコインのサイドチェーンで500億円流出──実行者は「ホワイトハット」名乗る

ビットコインのサイドチェーンで500億円流出──実行者は「ホワイトハット」名乗る
mempool.spaceより引用
ヤマダケイスケ
3 Min Read
Highlights
  • 7日、リキッド・ネットワークが500億円相当のBTCを引き出されるインシデント発生を報告。ネットワークは事実上の停止状態に
  • リキッド上のサイドスワップのPAKを経由して約4,000BTCが引き出されたか。同社はPAK侵害を否定している
  • 取引所では関連資産の入出金停止が進行中。ブロックストリームが「ホワイトハット」を名乗る実行者との接触を試みる

暗号資産(仮想通貨)ビットコインBTCBTCのサイドチェーン「リキッド・ネットワーク」は7日、約4,000BTC(500億円相当)が引き出されるセキュリティインシデントが発生したと公式Xで明らかにした。資金は同ネットワークの運営を担う「リキッド・フェデレーション」のウォレットから引き出されており、同ネットワークはブリッジノードを一時的に無効化した。

サイドスワップのPAKを経由、侵害自体は否定

リキッド・ネットワークによると、約4,000BTCは同ネットワーク上の資産交換サービス「サイドスワップ」のPAKを経由して引き出されたという。PAKは、リキッド上の資産「L-BTC」をビットコインとして引き出す際に使われる認証キーだ。ただし、同ネットワークはPAK自体やその他の鍵が侵害されたわけではないと説明している。

また、リキッド・ネットワークは今回の実行者を「ホワイトハットを名乗るハッカー」と表現。ブロックチェーンエクスプローラー「mempool.space」で確認できる関連取引では、「we are whitehats. contact us on chain(私たちはホワイトハットだ。オンチェーンで連絡してほしい)」とのメッセージが残されていることが確認できる。

出典:mempool.space

一方、サイドスワップも同日、今回の約4,000BTCのペグアウトについて説明した。同社は取引が顧客からの注文としてペグアウトサービスを通じて行われたとしながらも、PAK自体の侵害を否定している。

ペグアウトに使われたL-BTCについては、同社のシステムではなく「エレメンツのバグ」によって生じたものだと強調している。ただし、バグの具体的な内容やペグアウトにつながった詳しい仕組みは明らかにしていない。

ブリッジノード一時停止、実行者への接触進む

今回のインシデントを受け、リキッド・ネットワークは関係する取引所に状況を通知した。同社によれば、取引所ではL-BTCの入出金がすでに停止されているか、今後停止される予定だという。

リキッド・ネットワークはあわせて、ブリッジノードを一時的に無効化。これにより新たなトランザクションを送信できなくなり、問題が解決するまでこの措置を継続するという。この影響はリキッド・ウォレットにも及ぶとしている。

ただし、影響はリキッド上のすべての資産に及んでいるわけではない。リキッド・ネットワークは、USDTやDePix、RWA(実世界資産)などについては、今回のインシデントの影響を受けていないと説明した。

こうした対応と並行して、ビットコインインフラ企業「ブロックストリーム」のチームは、署名付きメッセージを使ってオンチェーン上で実行者との接触を進めている。リキッド・フェデレーションのメンバーも復旧作業に取り組んでいるが、ネットワークの具体的な再開時期は現時点で示されていない。

現時点では、エレメンツのバグがどのように今回のペグアウトにつながったのか、詳しい仕組みは明らかにされていない。約4,000BTCの扱いとあわせ、原因の特定や復旧に向けた追加説明が今後の焦点となりそうだ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1BTC=約1,250万円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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