国内暗号資産(仮想通貨)交換業者のコインチェックは10日、暗号資産の送金に関するセキュリティ機能を強化すると発表した。9月15日(予定)から、新たに登録された送金先アドレスへの送金に一定期間の制限がかかる。対象は導入後に登録されるすべての新規アドレスで、既に登録済みのアドレスへの送金には影響しない。
制限期間は非公開、早期解除も不可
制限期間が経過すれば送金できるようになるが、同社は期間の短縮や早期解除を受け付けないとしている。具体的な制限期間についても、セキュリティ上の理由から非公開とした。
影響が出るのは、送金先を新しく用意する場面だ。エアドロップの受け取り用にウォレットを作った場合や、新しく使い始めるアプリへ資産を移す場合、アドレスを登録してもすぐには送れない。予定がある利用者は、登録を早めに済ませておく必要がある。
コインチェックは、身に覚えのないアドレス登録を確認した場合、直ちにアカウントをロックしたうえで同社へ問い合わせるよう呼びかけている。
GMOコインは24時間、他社も追随か
今回の措置は、金融庁と警察庁が8月6日に出した要請を踏まえたものだ。両庁は日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)に対し、事業規模を問わずすべての交換業者を対象に、詐欺被害防止策の強化を連名で求めていた。
要請は11項目に及ぶ。出庫先の事前登録制と登録後一定期間の出庫制限のほか、法定通貨の入金後や暗号資産の購入後の出庫制限、顧客の属性に応じた出庫限度額の設定、取引・アクセス環境の監視強化などが並ぶ。
背景にはSNS型投資詐欺やロマンス詐欺の被害拡大がある。被害者が暗号資産を犯人側へ送る事例に加え、特殊詐欺の被害金が交換業者の口座へ送金される事例も確認されている。
対応はコインチェックが初ではない。GMOコインは8月25日に同様の措置を発表し、29日から導入している。宛先の審査完了メールを送信した時点から24時間、そのアドレスへの送付を制限する内容で、期間を明示している点がコインチェックとは異なる。
要請は全業者を対象としており、他の国内取引所も同様の措置を導入する可能性がある。


