米暗号資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)は10日、ドージコイン(DOGE
DOGE)建ての現物ETF「ビットワイズ・ドージコインETF」(NYSE:BWOW)を清算・閉鎖すると発表した。2025年11月26日の上場からわずか9カ月半での撤退となる。同社は理由について、投資家の変化するニーズに応えるため商品ラインナップの最適化を続けるなかでの判断だと説明した。
「Much wow」で始まり、9カ月半で終わる
ローンチ時の熱量と、今回の発表の淡白さの落差は大きい。2025年11月のリリースは「Unleashes(解き放つ)」という語を掲げ、本文でも「あなたも驚いた。我々も驚いた。Much wow というやつだ」とミーム調で商品を打ち出していた。
冒頭には「DOGEは人を笑顔にする偶発的な暗号資産ムーブメントだ」という一文まで置かれている。
ビットワイズのハンター・ホースリー最高経営責任者(CEO)は当時、こう述べていた。「DOGEは冗談として始まり、暗号資産ムーブメントの象徴となった。世界の資本市場を変えるとも、ファンダメンタルズや実用性があるとも言い張らない」
そのうえで、数百万人規模のDOGE保有者コミュニティがETP形式での投資機会を求めており、それに応えるべきだと立ち上げの理由を語っていた。
対して今回の清算リリースに、経営陣のコメントは一切ない。淡々と日程が並ぶだけだ。
スケジュールは次の通りとなる。ニューヨーク証券取引所アーカでの最終取引日は10月14日で、同日にDOGEを現金化する。新規株式の設定は10月15日の寄り付き前に停止し、10月22日に残る株主へ10月21日時点の純資産価格が現金で分配される。株主側の手続きは不要としている。
今年10本を整理、顧客資産は4割減
BWOWの清算は単発の失敗ではない。同社は2026年に入り、ETFの整理を繰り返してきた。5月1日にはビットコイン・イーサリアムと国債を入れ替える戦略のBTOPと、Web3関連のBWEBの2本を清算している。
6月30日には、オプション・インカム戦略ETF6本の閉鎖を発表した。コインベース、マラソン・デジタル、ストラテジー、ゲームストップ、サークルの各銘柄を対象とした商品と、イーサリアム対象のIETHである。
いずれも7月31日を最終取引日とし、8月10日に清算した。
そして9月10日、BWOWと同時にイーサリアム・国債ローテーション戦略のAETHも清算対象となった。SECへの提出書類によると、同社の取締役会は9日にAETHの清算と解散を決議している。ここまでで年内の整理は10本にのぼる。
顧客資産の推移も、この動きと符合する。BWOWをローンチした2025年11月時点で同社は「150億ドル超」を掲げていたが、2026年4月時点で110億ドル、6月末時点では90億ドルまで縮小した。ローンチ時から4割減った計算になる。
一方、商品数は40本超から70本へと増えた。商品を広げながら、採算の合わないものを整理する動きが続いている。
ミームコインETFの競争は続く
ドージコインの現物ETF市場からビットワイズが退くとはいえ、この分野の競争自体が終わるわけではない。BWOWの上場前後には、REX-Ospreyが9月に商品を投入し、グレースケールもGDOGの取引を開始していた。
その後もドージコイン財団の支援を受けた21シェアーズのTDOGがナスダックに上場するなど、参入は続いている。
ビットワイズは清算リリースのなかで、DOGEについて「実用性の提供を目的としないミームコインであり、相対的に見て投機家が利用者の大きな割合を占める」と記した。無制限の供給量が長期的な価値とネットワークの健全性に悪影響を及ぼす可能性があるとも明記している。
ローンチ時の目論見書にも、ファンドが収益を上げられない場合には株主にとって不利なタイミングで清算・終了する可能性がある、というリスクが記されていた。


