金融庁は11日、金融サービス利用者相談室に寄せられた2026年4〜6月の相談等の受付状況を公表した。暗号資産(仮想通貨)等に関する相談は1,374件で、前期の1,466件から6.3%減った。前年同期の1,450件と比べても5.2%少ない。全分野の相談1万5,418件のうち、暗号資産が占める割合は8.9%となる。
相談の7割は「取引・契約の結果」
暗号資産に関する相談の内訳を見ると、「個別取引・契約の結果」が991件で72.1%を占めた。取引で損失が生じた、資金が戻らないといった事後の相談が大半という構図だ。
これに続くのが「行政に対する要望等」の158件で11.5%。「業者の態勢・各種事務手続」と「その他」がそれぞれ96件、7.0%で並ぶ。「不適正な行為」と「個別取引・契約における顧客説明」は、いずれも一桁台から十数件にとどまった。
あわせて公表された「詐欺的な投資勧誘に関する情報の受付状況」では、4〜6月の受付が1,961件となった。前期の2,474件から20.7%減り、前年同期の2,493件と比べても21.3%少ない。
この統計は令和7年度7〜9月の3,015件をピークに、2,907件、2,474件、1,961件と4四半期連続で減少している。ピーク時と比べた減少率は35.0%に達する。
ただし件数の多くは実害を伴う。1,961件のうち82.4%にあたる1,616件が、情報提供者本人の申告で「被害有り」に分類された。
年齢別では50代が383件と最も多く、60代372件、70代以上355件が続く。50代以上の合計は1,110件で、全体の56.6%を占めた。被害ありの比率も40代から60代で85%前後と高い。
なお、この統計は「投資商品等」と「暗号資産等」の両分野に寄せられた相談から詐欺的な投資勧誘に該当するものを集計したもので、暗号資産がどの程度を占めるかは公表されていない。
今回の数字は4〜6月の集計であり、金融庁と警察庁が暗号資産交換業者に詐欺被害防止策の強化を求めた8月6日より前の期間にあたる。減少はこの要請に先行して起きていたことになる。
要請を受け、出庫先の事前登録制と一定期間の出庫制限などの措置が各社で始まっている。GMOコインが8月29日から24時間の制限を導入し、コインチェックも9月15日から新規登録アドレスへの送金を制限する。
これらの措置が相談件数にどう表れるかは、7〜9月以降のデータを待つことになる。


