米司法省(DOJ)コネチカット州連邦検察局は9日、ビットコイン(
BTC)の強奪を狙った誘拐事件に関与したカリフォルニア州の男、アダム・イザ被告(26)に、連邦地裁が禁錮180カ月(15年)と保護観察3年の判決を言い渡したと発表した。事件は2024年8月、コネチカット州ダンベリーで起きたものだ。
ビットコイン窃盗関与者の両親が標的に
誘拐の標的の選び方が、この事件の異様さを物語っている。
裁判資料などによると、2024年8月25日、フロリダ州の男6人が高級車を奪い、乗っていた2人を誘拐した。捜査で判明したのは、この2人が数億ドル相当のビットコイン窃盗に関与した人物の両親だったという事実だ。イザ被告らは、その窃盗されたビットコインの一部を奪うため、息子ではなく両親を狙ったとされる。
イザ被告の役割は、指示と資金提供だった。携帯電話や暗号化メッセージアプリで実行犯の一部と連絡を取り、犯行の段取りを指示したうえ、資金も出していた。
共謀者とされる人物の1人は、2024年7月にマイアミのナイトクラブで被害者の息子と揉め事を起こしていた。この人物は犯行前に実行犯と頻繁に連絡を取り、資金の提供や参加者の移動・宿泊の手配を手伝ったという。
イザ被告は2024年9月24日から、カリフォルニア州中部地区で別の連邦犯罪の容疑をかけられ勾留されていた。2026年6月1日には、コネチカット州でホッブズ法(強盗による州際通商の妨害)違反の共謀について有罪を認めている。
この事件で罪に問われたのは、イザ被告だけではない。実行犯6人はすでに有罪を認めた。イザ被告の兄弟にあたるサイフ・ファイク被告も同じ罪を認めて量刑を待つ。ほかにも共謀者とされる複数の人物が公判を控えている。
相次ぐ暗号資産保有者への物理的攻撃
この事件は、単発の凶悪事件にとどまらない。暗号資産の保有者やその関係者を物理的な暴力や脅迫で狙い、資産を奪おうとする犯罪は「レンチアタック」と呼ばれ、世界的に相次いでいる。今回のように標的が本人ではなく家族に及ぶケースも珍しくない。
ビットコイン価格が高値圏で推移し、暗号資産の保有が広がるほど、こうした攻撃の誘因は強まるとされる。
身を守るうえでの基本は、多額の暗号資産を保有していると他人に知られないことだ。SNSで資産状況や居場所を明かさない、といった日常の意識が、実世界のリスクから距離を置く第一歩になる。
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