イーサリアム(
BTC)のトレジャリー戦略を進める東証グロース上場のTORICO(トリコ、7138)は11日、ETHを追加取得したと適時開示した。取得数量は26.1944 ETH、取得価額は999万9,993円で、平均取得単価は1 ETHあたり38万1,761円。これを含めた保有は2,974.5613 ETHとなり、取得総額は12億5,672万8,485円に達した。
ステーキングとヘッジファンドの両輪
今回の開示で目を引くのは取得額よりも、運用体制に関する記述だ。同社は第11回新株予約権による資金調達を進めながら、調達資金を順次ETHの取得に充てている。取得した資産は国内大手取引所と連携した保管体制に置きつつ、海外のアドバイザーや金融プロトコルを活用して運用の高度化を進めるとした。
その一例として挙げたのが、8月13日に決議したETH建てヘッジファンドへの出資である。ステーキングによるインカム獲得に加え、外部の運用ノウハウを使った運用チャネルを確保したとしている。
同社は、ETHの継続的な取得と、取得済み資産の運用高度化を両輪で進めると説明する。ステーキングをはじめとする機動的な運用手法を組み合わせ、暗号資産を収益獲得のための事業用資産として使う「稼ぐトレジャリー」としてのPER型金融モデルの確立を加速させる、という位置づけである。
保有数量にはステーキング収入分などが含まれる。
含み損を抱えながらの買い増し、対照的な撤退も
取得を続ける一方で、評価は厳しい。累計の平均取得単価は42万2,492円だが、ETHは足元で38万円前後を推移している。この水準で保有分を評価すると11億2,000万円程度となり、取得総額を1億3,000万円あまり下回る計算だ。
今回の取得単価38万1,761円は、累計平均を9.6%下回る水準にあたる。下落局面で平均取得単価を下げる動きとも読める。
直近の8月31日の取得と比べると、保有は28.6238 ETH増え、取得総額は約1,090万円積み上がった。同社のETHトレジャリー事業は2025年12月に始まり、2026年1月には完全子会社「TORICOイーサリアム」を設立している。
国内の暗号資産トレジャリー企業は、単に持つ段階から先へ進みつつある。ANAPホールディングスは11日、ハッシュキー・ジャパンとのビットコインレンディングの運用実績を開示した。
5月11日から8月19日までの100日間に0.19178082 BTCの貸借料を得ており、貸出元本50 BTCに対する年率は1.4%にあたる。
対照的な動きもある。ReYuu Japanは同じ11日、暗号資産トレジャリー戦略の終了を決議し、保有していたBTCとDOGEを全量売却した。撤退理由には、保有額を基準とする企業価値評価に対する投資家の見方が慎重になっていることを挙げている。


