東証スタンダード上場のReYuu Japan(リユージャパン、9425)は11日、暗号資産(仮想通貨)トレジャリー戦略を終了すると発表した。同日開催の取締役会で決議したもので、保有していた暗号資産はすべて売却済み。売却したのは2.6728 BTCと38万2,000 DOGEで、同社が保有する暗号資産はなくなった。2026年2月に設定した上限5,000万円の取得枠も廃止し、今後は取得・保有・運用のいずれも行わない方針だ。
BTCは4.5%益、DOGEは23%安
売却の内訳を見ると、銘柄で明暗が分かれた。ビットコイン(
BTC)は累計取得額2,999万9,000円に対し売却額が3,134万3,000円で、134万4,000円のプラス。取得時から4.5%値上がりした計算になる。
一方のドージコイン(
DOGE)は、取得額596万7,000円に対し売却額が458万8,000円にとどまり、137万9,000円の目減りとなった。下落率は23.1%に達する。
2銘柄を合わせると、取得総額3,596万6,000円に対して売却総額は3,593万1,000円。通算では3万5,000円のマイナスで、ほぼ収支トントンで終わった形だ。
会計上の見え方は異なる。同社は第3四半期に評価損526万8,000円を計上済みで、今回の売却で第4四半期に売却益523万2,000円を計上する見込みだとしている。
撤退理由は「投資家の慎重な見方」
同社が挙げた終了理由は3つある。当初想定していた実行体制の変化、暗号資産の保有額を基準とする企業価値評価や、それに基づく資金調達に対する投資家の見方が慎重になっていること、そしてM&Aを含む成長機会が具体化してきたことだ。
暗号資産の保有・運用を続けるより、既存事業や成長分野に経営資源を集中するほうが企業価値の向上に資すると判断したという。
2番目の理由は、保有企業の株価が保有資産の何倍で評価されているかを示すmNAVの動きと重なる。JinaCoinの独自データでは、同社のmNAVは取得開始直後の200倍超から6月には40倍台まで低下し、その後も50倍前後で推移していた。

提携先abcは簿価64億円を2,000万円で処分
今回の撤退には前段がある。同社が戦略を決議した2025年9月の時点で、協業相手としていたのが暗号資産分野に知見を持つabc株式会社(8783)だった。ビットコインを活用したトレジャリー戦略で業務提携する基本合意を結んでいる。
ところがReYuu Japanは2026年7月15日、この基本合意を終了したと公表。その1カ月半後の8月28日には、abc自身がグループ保有の暗号資産12銘柄とNFT1件を一括譲渡した。簿価64億5,400万円に対し譲渡対価は2,000万円で、簿価の0.31%にとどまる。
国内では撤退が続く。8月にコンヴァノが保有ビットコインの売却を完了し、9月にはクオンタムSがBTCをゼロにした。
今回の売却により、JinaCoinが集計する国内上場企業のビットコイン総保有量は48,538.52 BTCとなった。ReYuu Japanは保有量ゼロの3社目に並んでいる。


