暗号資産(仮想通貨)取引所大手Bitfinex(ビットフィネックス)は14日、週次リポート「Bitfinex Alpha」で、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えたビットコイン(
BTC)が8万2,000ドルと7万6,000ドルの両端を試す可能性があるとの見方を示した。金利先物は25ベーシスポイントの利上げを88.5%の確率で織り込んでいる。
レンジの両端に積み上がった清算の燃料
ビットコインは24営業日を超えて5.5%の値幅にとどまっており、この帯域に取得原価を持つ供給は約84万BTCに上る。8万2,000ドル付近には約19億5,000万ドル規模のショート清算の候補が積み上がり、7万5,000〜7万6,000ドルにはロングの持ち高が集中している。
同社は、上限を明確に上抜ければショート清算の主要な一群が誘発され、下限を割り込めばロングの連鎖清算につながり得るとした。売り圧力を示すSell-Side Risk Ratio(セルサイド・リスク・レシオ)は7ベーシスポイントと、この1年で最も低い部類の水準にある。
長期保有者の利益確定の比率も、8月のピーク時の88%から42%まで縮小した。もっとも、供給が細っても積極的な買いは集まっていないと指摘する。
週足の終値はレンジ下限の7万7,100ドル。11日の7万6,648ドルは、8月21日にこのレンジが形成されて以降で初めて下限を割り込んだ日次終値となった。もっとも同社は、その翌日以降が再び下限を上回って引けたことを挙げ、レンジ安値は守られているとみている。
利上げ観測を押し上げたのは雇用統計
利上げ確率がほぼ五分五分から88.5%まで切り上がるきっかけとなったのは雇用統計だった。CME FedWatchのデータに基づく数値で、政策決定と同時に公表される見通しが追加の利上げを示すかどうかも焦点となる。
9月11日発表の8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、エネルギーが2.1%、ガソリンが3.9%それぞれ上昇した。ガソリンだけで月次の上げ幅の3分の1超を占める。生産者物価指数(PPI)も前月比0.4%上昇し、財が1.1%、うちエネルギーが4.2%、ディーゼル燃料は24.1%上昇した。
ミシガン大学の9月の消費者態度指数(速報値)は8月の51.7から47.8へ低下し、1年先のインフレ期待は4.0%から4.6%、長期の指標も3.3%から3.4%へ上昇している。
米国のビットコイン現物ETFは9月第2週、4営業日すべてで資金が流出し、合計は4億6,270万ドルとなった。機関投資家の資金は約5,900BTC分減ったが、9月の月初来では3億730万ドルの流入超を保っている。
売り圧力が過去1年で最も低い部類にある一方で買いも積極性を欠き、方向感は金融政策の判断待ちという構図になっている。レンジの両端に清算の燃料がたまっているため、利上げの有無そのものよりも、同時に示される先行きの見通しがどちらに傾くかで値動きが増幅されやすい局面といえる。
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