暗号資産(仮想通貨)マーケットメイカーのウィンターミュートは22日、市場アップデートを公開し、暗号資産市場が株式市場に先行してリスク再評価を受けたとの見方を示した。背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢と米イラン合意をめぐる不透明感の再燃がある。
利上げ観測と地政学リスクが暗号資産市場を圧迫
FRBをめぐっては、金利据え置きよりもタカ派的なメッセージが意識された。ウィンターミュートは、声明文から緩和方向の表現が消え、ドットプロットも利上げ示唆へ転じた点を挙げている。
タカ派的な内容は、市場の利上げ見通しにも反映された。12月利上げ確率は1カ月前の約24%から約77%へ再評価され、インフレリスクを上方向に見る参加者も18人中17人に上った。同社は暗号資産のような流動性に左右されやすい資産にとって、前月より厳しい環境になったと分析している。
また、ウィンターミュートは米イラン合意の延期も暗号資産市場の重荷になった点も指摘。署名式がイスラエルのレバノン南部攻撃やイラン側の離脱を受けて延期されたことで、株式市場が祝日休場で反応できなかった一方、週末も取引される暗号資産市場が先に調整したのと見方を示した。
ロング清算は約970億円に拡大、ストラテジー懸念は一服
実際の値動きにも、リスク再評価は表れている。ビットコイン(BTC)は週初に6万7,000ドル付近まで上昇した後、FRBのタカ派姿勢や週末の合意崩壊を受けて6万2,000ドル方向へ下落。ウィンターミュートによると、週間ではビットコインが3.8%安、イーサリアム(ETH)が1.2%安、アルトコインはおおむね横ばいだったという。
ウィンターミュートによると、週末の下落では約6億ドル(約970億円)のロング清算が発生した一方で、ショート清算は9,000万ドル(約145億円)未満にとどまったという。同社は、上昇局面で積み上がったレバレッジが悪材料をきっかけに解消される流れが続いているとみている。
また、同社はストラテジーをめぐる売り圧懸念にも言及。ストラテジーは6月8日から14日にかけて1,587BTCを約1億ドル(約161億円)で購入しており、32BTCの売却は大きな材料ではなかったとした。ただし、ETF(上場投資信託)やストラテジーによる買い需要は以前より弱まっていると指摘している。
ウィンターミュートは、足元のポジション整理を踏まえれば、ビットコイン相場が短期的に反発する可能性はあるとした。ただし、資金流入が戻らない限り、相場がレンジ内で推移する可能性も示している。反発が一時的な戻りにとどまるのか、資金流入を伴う上昇に変わるのかが次の焦点となりそうだ。
関連:ビットコイン取引の8割が「0.01BTC未満」──膨らむ少額取引の中身とは
関連:ビットワイズCIO「ビットコインは強い買い」
関連銘柄:
BTC
ETH
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=161.5円)



