ブルームバーグは7日、米議会で審議中の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「クラリティ法案」をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領に暗号資産関連事業からの資産売却を求める案が協議されていると報じた。
売却案は、法案に追加する倫理条項の一部として検討されている。内容を知る関係者の話として伝えられたもので、条文はまだ公表されておらず、ホワイトハウスと議員の間で調整が続いているという。
法案成立に向け、倫理条項を協議
報道によると、倫理案は共和党のトム・ティリス上院議員と、民主党のルーベン・ガレゴ上院議員が協議した。暗号資産関連事業からの資産売却に加え、司法省が倫理措置を執行しない場合は、州司法長官が訴訟を起こせる仕組みも検討されている。
こうした売却義務が実現すれば、現職大統領に対する新たな制約となる。現職大統領は閣僚などと異なり、在任中に保有資産を売却する義務を負っていないためだ。
一方、ハワード・ラトニック商務長官やスコット・ベッセント財務長官は、公職就任に伴う資産処分で、キャピタルゲイン課税を繰り延べる制度を利用しているという。この制度がトランプ氏の売却にも適用される可能性が、今回の倫理案に伴う別の論点として浮上している。
倫理条項をめぐる協議は、停滞している法案への超党派支持を得るうえで重要な要素になっていると報じられた。上院院内総務のジョン・スーン氏ら共和党幹部は、8月の議会休会前に手続き採決を行いたい考えだという。
売却で税負担が軽くなる可能性も
倫理条項に基づく売却が、公職上の要請による資産処分と認められた場合、トランプ氏は売却益にかかる連邦キャピタルゲイン税の支払いを繰り延べられる可能性がある。通常は、取得価格と売却価格の差額に最大20%の税率が適用される。
具体的には、売却代金を別の投資先へ振り向けることで、課税を先送りできるという。さらに、再投資した資産を死亡時まで保有した場合、キャピタルゲインが課税されない可能性もある。ブルームバーグは、節税効果が数百万ドル規模になる可能性があると伝えている。
トランプ氏は2025年、暗号資産やミームコイン関連事業から14億ドル(約2,217億円)以上の収入を得たと報告した。また、同氏の関連会社DT Marks DEFI LLCは、ワールド・リバティ・フィナンシャルの持分38%を保有している。
ただし、売却義務や税制上の扱いが最終案に残るかはまだ未確定となっている。ホワイトハウスと両議員の事務所もコメントしておらず、まずは正式な条文の公表を待つことになりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.2円)


