米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員とリチャード・ブルメンソール上院議員は3日、ポール・アトキンスSEC(米証券取引委員会)委員長宛てに書簡を送り、トランプ大統領の公式ミームコイン「$TRUMP(トランプコイン)」の調査を求めた。詐欺や不当な利得がなかったかを検証するよう要請している。
「100万人が38億ドルの損失」と主張
トランプコインはトランプ大統領の就任3日前にあたる2025年1月17日に取引を開始した。
両議員は、ニューヨーク・タイムズなどの報道を引用し、コインのデビューから6月末までに約100万人の投資家が38億1,000万ドル(約6,008億円)超を失う一方、トランプ大統領自身は6億3,600万ドル(約1,003億円)を得たと記した。
この著しい非対称性が、大統領がどのように暗号資産(仮想通貨)で富を築いたかについて疑問を生じさせるとしている。
そのうえで両議員は、この仕組みが「違法な詐欺(イリーガル・スキャム)にあたる可能性がある」と懸念を示した。SECは金融市場の公正さを守る責任があり、関与する人物がどれほど有力であっても法を執行する必要があると主張している。
もっとも、SECが実際に調査に動くかは不透明だ。CNNなどの報道によると、SECは今回の要請についてコメントを控えた。ホワイトハウスは質問をトランプ・オーガニゼーションに回付し、同組織からの回答はないという。
加えて、SECは2025年2月、ミームコインは一般に連邦証券法上の証券にはあたらないとするスタッフ見解を示している。アトキンス委員長はトランプ大統領が指名した暗号資産推進派で、就任後は暗号資産関連の法執行を縮小してきた。こうした経緯から、正式な調査には至りにくいとの見方が出ている。
市場構造法案の倫理条項とも連動
今回の書簡は、米国の暗号資産規制をめぐる議論と同じタイミングで出された。焦点となっているのが、暗号資産の市場構造を定める「クラリティ法案」に盛り込むかどうかが争われている倫理条項だ。
この条項は、大統領を含む政府高官が在任中に暗号資産事業から直接利益を得ることを制限する内容とされる。民主党は実効性のある制限がなければ法案を支持しない構えで、トランプコインがこの論点の中心になっている。両議員は書簡で、議会とSECの双方が投資家保護の役割を果たすべきだと訴えた。
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