DEXアグリゲーターの1inch(ワンインチ)は28日、セルフカストディ型の共有流動性レイヤー「Aqua(アクア)」を正式公開した。2025年11月からの開発者向け提供期間を経て、今回より一般ユーザーのアクセスも開放した形だ。
同じ残高で複数の流動性ポジションを作成
アクアでは、流動性提供者が資産をプールへ預けず、同じウォレット残高を複数のポジションに利用できる。レジストリが承認済みの残高を追跡し、条件を満たすスワップが入った場合にのみ、必要な資産を移動させる仕組みとなっている。
同じ残高を複数ポジションで共有できるため、資産を取引ペアや価格帯ごとに分ける必要がない。ワンインチは10万ドルの残高で、合計30万ドル分の流動性を提示できる例を挙げている。
資産をウォレットに残す仕組みとあわせて、安全面にも配慮。オープンゼッペリンをはじめとする8社による独立監査を受けたほか、各ポジションを単独所有とし、取引直前に流動性を追加して手数料を得る「JIT攻撃」を防ぐ設計を整えている。
公開初日ではイーサリアムやアービトラム、ベースなどの13種類のEVMチェーンに対応しており、ポジションはロックアップなしで開閉できるという。
約2億円のLP向け報酬プログラムを開始
アクアの正式公開にあわせ、流動性提供者(LP)向けの報酬プログラムも始まった。ワンインチ財団が1,000万1INCH(約1.3億円)、1inch DAOが50万USDC(約8,185万円)を報酬として用意している。
流動性提供者は対象ペアでポジションを作成し、条件を満たすことで追加報酬を受け取れる。対象市場や参加条件は公開されたキャンペーン設定に基づき、受け取れる報酬額は変動する仕組みだ。
今後は、アクアが複数チェーンで流動性提供者をどこまで集められるかが焦点となる。共有流動性という仕組みが、既存のプール型モデルを補う選択肢として定着するかにも注目したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.7円、1INCH=13.5円)



