暗号資産(仮想通貨)運用大手グレースケールのリサーチ責任者ザック・パンドル氏は8日、米国の暗号資産市場構造をめぐる「クラリティ法案」について、2026年中に成立する可能性が低くなっているとの見方を示した。
資本形成やトークン化証券のルール整備に遅れも
パンドル氏は、法案が成立しなくても主要ブロックチェーンやビットコイン需要、ステーブルコイン決済への即時的な影響は限定的と説明した。一方、包括的な市場ルールが整わなければ、米国の新規投資や起業活動の一部が海外へ移る可能性があると指摘している。
その背景として同氏は、海外には米国より利用しやすいトークン発行ルールや開発者保護を備える地域があると説明。こうした規制環境の違いが、起業家や投資家の活動拠点を海外へ移す要因になり得るとの見方を示した。
海外移転の傾向は以前からみられていたものの、トランプ政権発足後には一部で反転していたという。パンドル氏は、包括的な市場構造法制が整わなければ、この流れが再び強まる可能性があるとしている。
年内成立予測は21%、予測市場でも慎重な見方
予測市場ポリマーケットでは、クラリティ法案が2026年中に法制化されるとの予測は執筆時点で21%にとどまっており、5月中頃の75%近い水準から右肩下がりで推移している。

グレースケールが指摘するように法案成立のハードルが高まるなか、予測市場でも同様に成立を低く見積もる動きがみられる。包括的な法整備が遅れれば、米国内での新規投資や起業活動の一部が海外へ向かうとのパンドル氏の懸念が、より意識されやすい状況と言える。
年内成立への見方が弱まるなか、クラリティ法案をめぐる議論は、米国で暗号資産市場の包括的なルール整備をどこまで進められるかという点でも重要になりそうだ。
関連:仮想通貨関連予測市場データ一覧
関連:クラリティ法案に倫理条項案──トランプ米大統領へ暗号資産事業の売却要求か
関連:クラリティ法案、成立確率23%に低下──ビットワイズCIOが示す2つのシナリオ
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.9円)


