分散型取引所(DEX)大手Uniswap(ユニスワップ)を運営するユニスワップラボは25日、DeFi(分散型金融)のSpark(スパーク)が、ステーブルコインの「FXレイヤー」構築に乗り出したと発表した。スパークはDeFi大手Sky(スカイ)やユニスワップと連携し、第一歩として1億5,000万ドル(約240億円)の流動性をv4へ移行した。
ステーブルコインの「両替基盤」を狙う
FXレイヤーのFXは外国為替を指す。ドルやユーロを両替する従来の為替市場になぞらえ、複数のステーブルコインを効率よく交換できる共通基盤を作る、というのが狙いだ。
背景には、ステーブルコインの急増がある。ペイパルのPYUSD、リップルのRLUSDが登場し、日本でも三菱UFJ・みずほ・三井住友の3メガバンクが発行を検討するなど、発行体は増え続けている。
発行体が増えるほど、それぞれに流動性の管理が必要になり、資金が個別の市場に分散してしまう。「USDSをUSDTに替えたい」といった交換のたびに、別々の市場で流動性を用意しなければならない。スパークは、こうして分断された資金を一つの基盤で束ね、効率よく動かすことを目指す。
ステーブルコインの決済額は、2030年までに年56兆ドルに達するとの予測もある。資金移動の規模が急拡大するなか、それを支える流動性基盤の整備が課題になっていた。
中核を担う新仕組み「DualPool」
構想の中核となるのが、新しい仕組み「DualPool(デュアルプール)」だ。ユニスワップv4の「フック」と呼ばれる拡張機能の一つで、プールに独自のプログラムを組み込める。今回移行した資産は、近くこのデュアルプールへ移される。
デュアルプールが解くのは、流動性提供者(LP)が抱える二者択一だ。資金を取引プールに置けば取引のたびに手数料を得られるが、取引がない間は遊んでしまう。利回りの出る金庫(ボールト)に置けば利息は得られるが、取引には使えない。
デュアルプールは、この両方を同時に成り立たせる。
取引がない間、資金はスパークが運用する利回り型の金庫で利息を生む。取引(スワップ)が発生すると、必要な分だけが自動で引き出されてプールに投じられ、取引が成立すると手数料とともに同じ処理のなかで金庫へ戻される。利用者から見れば、通常のユニスワップでの取引と変わらない。
今回の移行では、まず米ドル連動ステーブルコイン「USDS」が基準の通貨となり、USDTやPYUSDにも対応していく。資金に厚みが出ることで、利用者は取引時の価格のずれ(スリッページ)を抑えやすくなるという。初期版はスパークが保有するが、監査後にオープンソース化される予定だ。
ただし、複数の発行体を束ねる本格的な基盤づくりは、まだ始まったばかりの構想だ。今回の移行は、その第一歩と位置づけられている。



