ステーブルコイン世界第2位の「USDC」を発行する米サークルが、野村ホールディングスと提携し日本の法人向け決済市場に参入する。25日、日本経済新聞が報じた。2027年にも外貨の即時決済サービスを開始し、これまで半日を要していた大規模な為替取引をブロックチェーンで瞬時に完了させる。
米国主導の市場拡大が日本へ波及、待機資金を減らし資金効率を向上
サークルが手がけるUSDCは約740億ドル(約12兆円)の市場規模を持ち、業界大手が日本企業向けに参入するのは初となる。同紙は、2025年に米国で成立した「ジーニアス法」を契機とした米国主導の市場拡大が、本格的に日本のビジネス領域にも波及するとの見方を示している。
新たに提供される決済サービスにより、日本企業は円をUSDCに変換し、海外への即時送金や投資に充てることが可能となる。野村ホールディングスは今回の協業を通じ、株や債券といった金融資産を即時に取引できる決済網の構築も検討しているという。
企業が外貨を両替する際、時差などの影響で半日程度かかる場合がある。そのため、急な資金不足に備えて、あらかじめ多額の外貨を確保しておく必要があった。USDCの活用で必要な時に瞬時に調達できれば、資金を寝かせておく必要が減り、資金効率が大きく向上すると同紙は指摘している。
金融機関や事業法人の実需決済へ拡大
企業だけでなく、金融機関からの需要も見込まれる。銀行が日本国債を担保にドル資金を調達する取引についても、ブロックチェーンを活用して即時化させる。銀行が機動的に外貨を準備できれば、融資を受ける一般企業も外貨を得やすくなるという。
将来的な構想として、メーカーなどが事業活動で用いる実需決済での利用拡大も見据える。米マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査によれば、ステーブルコインの実需での年間決済金額は3,900億ドル(約63兆円)に上る。商取引での利用が普及すれば、今回の仕組みを通じて即座に円を外貨に変換して送金できるようになる。
法人決済へのステーブルコイン活用は、為替リスクや待機資金といった企業の課題に対応しうる取り組みだ。日本最大級の金融機関である野村HDが手がけることで、国内企業の間でどこまで導入が広がるかが、今後の焦点となる。
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