暗号資産(仮想通貨)分析企業クリプトクオントは23日、ストラテジーはビットコイン(BTC)購入を一時停止し、現金準備の再構築を優先すべきだとするレポートを公開した。同社は優先株STRCが先週、額面価格を17.5%下回る82.5ドルまで下落したと指摘。ビットコイン相場の調整と現金準備の減少が重なったとの見解を示した。
年間配当義務は約1,940億円、財務余力に懸念
レポートによると、ストラテジーは5月、2029年満期の0%転換シニアノート15億ドル(約2,424億円)を買い戻した。この対応により、STRCの配当を支えるための現金バッファーが大きく削られ、現金準備と配当負担のバランスが悪化したという。
ただし、クリプトクオントは、同社がSTRCの価格維持を目的に短期的な大規模BTC売却へ動く可能性は低いと分析。ストラテジーにはSTRCの価格を維持するためにビットコインを売却する義務はなく、配当利回りの引き上げやMSTR株の発行によって、配当継続能力を示す余地があると指摘している。
また、同社はSTRCの下落について、一時的な市場変動ではなく、財務余力の低下が表面化したものだと強調した。ストラテジーの米ドル建て現金準備は2026年初から38%減少し、年間配当義務はほぼ4倍の12億ドル(約1,940億円)に拡大。配当カバレッジが7年以上から14カ月に急低下したことを根拠に挙げている。
クリプトクオントは、STRCが額面100ドルに戻るには現金準備の再構築が不可欠と主張。具体的には、24カ月分の配当カバレッジに相当する約28億ドル(約4,525億円)まで現金準備を積み増すことが必要条件だとしている。
ビットコイン保有の余力は限定的、購入継続に見直しを求める声も
一方、ストラテジーが保有するビットコインも、緊急時の余力としては限定的だと指摘した。クリプトクオントはストラテジーが106億ドル(約1.7兆円)の含み損を抱えており、2024年・2025年・2026年に購入したビットコインはすべて含み損の状態にあると強調している。
クリプトクオントCEOのキ・ヨンジュ氏も24日、ストラテジーのビットコイン購入は「価格上昇の触媒というより、流動性の吸収に見える」と自身のXに投稿した。同氏は、現金準備と配当カバレッジが回復するまで購入を止め、購入タイミングを体系化すべきだと述べた。
今回のレポートは、ストラテジーのビットコイン保有戦略が、価格上昇局面だけでなく配当負担や現金準備との整合性を問われる段階に入ったことを示している。今後、同社がビットコイン購入の継続と財務基盤の修復をどう両立させるかが焦点となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=161.6円)



