暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームBitradeXは9日、一部ホットウォレットへの外部攻撃で資産損失が発生したとして、既存ユーザーの資産を段階的にリリースする新たな対応方針を発表した。7月末には「資産は安全」と説明していたことから、SNS上では同社の対応を警戒する声も出ている。
7月末の「資産は安全」説明から一転
7月31日、BitradeXは一部の国や地域でアカウント機能を正常に利用できない状況について、10以上の国と地域で順次復旧したと発表。当時はシステム最適化による資産やデータへの影響はないとし、「アカウント内の資産は常に安全に保護されている」と説明していた。
しかし今回、一部ホットウォレットへの外部攻撃によって資産損失が発生したことを公表。あわせて、ホットウォレットで管理する資産の規模を縮小し、コールドウォレットの活用やウォレット権限、セキュリティ監査、リスク分離体制を強化する方針も示している。
さらにBitradeXは、現在の準備資金だけでは既存資産全体を一括で支払うことはできないと説明。既存ユーザーの資産については、段階的にリリースする「グローバルパートナープラン2.0」を開始するとした。
同プランでは、リリース済みの資産について出金や交換、再投資が可能としている。新規入金や新規投資、新たに参加したユーザーに関連する資産は、現行ルールに基づき既存資産とは独立して運用する方針だという。
一連の説明に疑念、SNSで高まる警戒感
BitradeXが「AI運用による年利400%」という極めて高い利回りをうたう背景もあり、SNS上では警戒感が広がっている。暗号資産インフルエンサーのプロデューサーZ氏は、BitradeXの一連の説明を受け、ポンジスキームを疑わせる「典型的なやつ」との見方を示した。
同氏は今後、「出金や資産移行には条件が必要」「新プランへの参加で返還を優先する」などの名目で、追加資金を求められる可能性に警戒するよう呼びかけている。
また、暗号資産関連の情報を発信するちょどさん氏は11日、資金の解除条件として、他のユーザーを招待してAIbot運用に追加するよう案内されたとXに投稿。「誰が紹介なんかするかよ」と強く反発した。
そのほかにもSNS上では、ハッキングを理由とする説明への疑念や、高利回りを掲げる投資案件では利益の原資を見極める必要があるとの声も見られた。ユーザー自身がリスクを精査し、慎重に判断すべきとの指摘も寄せられている。
東京イベントで出金遅延に言及、会場には警察出動との投稿も
BitradeXは7日、東京で「BitradeX Tokyo Summit」を開催した。世界各地のコミュニティメンバーやパートナーらが参加し、AIやブロックチェーン、デジタル資産をテーマに講演や交流イベントを実施している。
イベントではBitradeXのCEOがオンラインで講演。一部ユーザーで出金の遅延が発生していると説明する場面もあり、大多数のユーザーについては取引・出金サービスが通常どおり機能していると強調したという。
こうした説明が行われたイベントについて、BitradeXは翌日に公式Xで会場の様子を投稿した。しかし、返信欄では、イベントよりも円滑な出金を求める声や、出金時期を尋ねるユーザーのコメントが多くみられている。
一方、イベント当日から翌日にかけて、SNS上では会場に警察が駆けつけたとする写真付き投稿や、「ナイフを持った人物がいた」とする書き込みもみられた。BitradeXはイベントの盛況ぶりを紹介したが、こうした騒動については公式に言及していない。今回の出金遅延問題に起因する騒動であるかも不明だ。
BitradeXは今後、グローバルパートナープラン2.0の詳細なルールや資産リリースの取り決めを順次公開するとしている。資産の返還条件やスケジュールをどこまで具体的に示し、ユーザーの懸念に応えられるかが今後の焦点となりそうだ。
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