米連邦準備制度理事会(FRB)は24日(米国時間)、米国のステーブルコイン法「GENIUS法」にもとづき、FRBが監督する発行体向けの規則案2本を公表し、意見募集を始めた。保有者への利息や利回りの支払いを禁じる規定では、関連会社や特定の第三者を通じた支払いも禁止と推定する枠組みを盛り込んだ。通貨監督庁(OCC)が3月に示した案と同じ考え方だ。
推定が及ぶ第三者は2種類
GENIUS法は、ステーブルコインを保有、利用、保持しているだけの保有者に、発行体が利息や利回りを払うことを禁じている。FRBは、第三者との取り決めを通じて同じことが行われうるとして、規制逃れを防ぐための推定規定を設けた。次の2つの条件がそろうと、発行体が利回りを払っているとみなされる。
- 発行体が、関連会社または「関係のある第三者」に利息や利回りを支払う取り決めを結んでいる
- その関連会社や第三者が、保有しているだけの保有者に利息や利回りを支払う取り決めを結んでいる
「関係のある第三者」は2種類に限られる。発行体に代わって、利回りの支払いをサービスとして提供する者と、発行体がその名義やブランドでステーブルコインを発行している相手、つまりホワイトラベルの提携先だ。
ホワイトラベルの場合、推定が及ぶのはその提携先ブランドのステーブルコインの保有者に限られる。関連会社の関連会社は、保有者に支払う側の条件には含まれない。
発行体は、規制逃れではないことを示す書面を出せば推定を覆せる。
一方、推定に当たらない仕組みであっても、法律上の禁止や規制逃れにあたるかどうかは個別に判断するとした。禁止の対象外として明記したのは、加盟店がステーブルコイン払いに独自に出す割引と、関連会社ではないホワイトラベルの提携先との収益分配の2つだ。
意見募集では、経済的な影響が小さい取り決めを除く「少額の例外」を設けるべきかを尋ねた。推定ではなく、関連会社や第三者を通じた支払いを全面的に禁じるべきかも問うている。禁止の範囲を狭くした場合と広くした場合で、銀行預金にどのような影響が出るかも論点に挙げた。
当局の足並みが完全にそろっているわけではない。4月に案を公表した連邦預金保険公社(FDIC)は、推定の規定を設けるべきかどうかを、意見募集の質問として示すにとどめている。
自己資本は発行残高に応じた段階制
規則案の対象は、FRBの承認を受けた州法銀行の子会社と、発行残高が100億ドル(約1兆5,880億円)以上に達してFRBの枠組みに移る、州の承認を受けた預金保険対象外の金融機関だ。もう1本の案は、州法銀行が子会社を通じて発行する際の申請手続きを定める。
準備資産は、米ドルの現金や連銀への預け金、要求払い預金、残存93日以内の米国債、米国債を担保にした翌日物のレポなどに限り、常に発行額以上を保有する。償還の期限は、請求から2営業日以内とした。
| 発行残高 | 運用リスクに対する所要資本 |
|---|---|
| 200億ドル(約3兆1,760億円)以下 | 発行残高の2.0% |
| 200億ドル超、500億ドル(約7兆9,400億円)以下 | 4億ドル+200億ドルを超える部分の1.5% |
| 500億ドル超 | 8.5億ドル+500億ドルを超える部分の1.0% |
このほか、預金保険の対象外となる預金などには2%の資本を求める。四半期末に基準を下回れば回復計画を提出し、次の四半期末も下回っていれば、準備資産をすべて売却してステーブルコインを償還しなければならない。
意見募集の期間は、連邦官報への掲載から60日間。GENIUS法は、2027年1月18日か、最終規則の公表から120日後のいずれか早い日に施行される。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.8円)



