米暗号資産(仮想通貨)運用会社Bitwise(ビットワイズ)は23日、分散型取引所(DEX)Lighter(ライター)のネイティブトークンLITに連動する「Bitwise Lighter Staking ETP」を、Deutsche Börse(ドイツ取引所)の電子取引市場Xetra(クセトラ)に上場したと発表した。同社によると、ライターを対象とする暗号資産ETPは初めてとなる。ライターは暗号資産に加え、米国株に連動する無期限先物を扱う取引所だ。
ステーキングは残高が積み上がってから開始
BLITはデータ企業Kaiko(カイコ)の「Kaiko Lighter Reference Rate」を指数とし、LITの値動きに連動する。発行体はビットワイズの欧州法人Bitwise Europe GmbH(ドイツ)で、信託報酬(TER)は年0.85%に設定された。
| 商品名 | Bitwise Lighter Staking ETP |
| ティッカー | BLIT |
| ISIN | DE000A4AV9T5 |
| 指数 | Kaiko Lighter Reference Rate |
| 信託報酬(TER) | 年0.85% |
| 発行体 | Bitwise Europe GmbH(ドイツ) |
商品名に「ステーキング」を冠するが、報酬の獲得はすぐには始まらない。効率的に運用できる残高に達した時点で開始する設計で、それまではLITの価格にのみ連動する。開始時期は詳細とあわせて別途告知するという。
報酬が発生した場合は日次で積み上がり、1口あたりの暗号資産の持ち分に反映される。LITは現物でコールドストレージに保管され、投資家は通常の証券口座で売買できる。ウォレットや秘密鍵を自ら管理する必要はない。
英国とフランスでは、個人投資家はBLITを購入できない。
ビットワイズは4月、ハイパーリキッドのHYPE
HYPEに連動する「Bitwise Hyperliquid Staking ETP」(BHYP)を欧州で上場した。BLITは、似た位置づけのプラットフォームへ対象を広げた商品となる。
個人の取引手数料はゼロ、米国株も24時間化へ
ライターは、ゼロ知識証明で注文の照合や清算を検証する無期限先物のDEXだ。暗号資産のほか、アップル、アマゾン、テスラなど米国株の値動きに連動する無期限先物を扱う。取引は週の大半で可能で、24時間体制への移行を進めている。
個人トレーダーからは取引手数料を取らない。収益はプロのマーケットメーカー、清算、財務収入から得ており、ビットワイズはこのモデルがローンチ以降の急成長を支えたと説明する。
創業者兼CEOのウラジーミル・ノバコフスキ氏は、機関投資家水準の無期限先物取引を完全にオンチェーンで実現するためにライターを作ったと述べた。ゼロ知識証明により、速度を犠牲にせず公正で検証可能な執行を保証するという。
データサイト「ディファイラマ」によると、24日13時53分(日本時間)時点のライターの建玉は8億3,586万ドル(約1,323億円)で、無期限先物DEXの中で4位だった。
| 順位 | 取引所 | 建玉 | 24時間取引高(正規化) |
|---|---|---|---|
| 1 | ハイパーリキッド | 90.6億ドル | 74.24億ドル |
| 2 | Aster(アスター) | 14.11億ドル | 20.76億ドル |
| 3 | Variational(バリエーショナル) | 8.77億ドル | ― |
| 4 | ライター | 8.36億ドル | 19.26億ドル |
| 5 | edgeX(エッジエックス) | 6.18億ドル | 16.07億ドル |
首位のハイパーリキッドの建玉は90.6億ドル(約1兆4,338億円)で、ライターの約10.8倍にあたる。
預かり資産(TVL)は7億4,445万ドル(約1,178億円)。過去30日で28%増えた。
四半期収益は2025年10〜12月期の約4分の1
建玉や預かり資産が積み上がる一方、収益は縮小している。DefiLlamaの集計では、ライターの総プロトコル収益は2025年10〜12月期の3,969万ドル(約62.8億円)から、2026年4〜6月期には956万ドル(約15.1億円)へ約76%減った。
| 四半期 | 総プロトコル収益 | LIT買い戻し額 |
|---|---|---|
| 2025年10〜12月期 | 3,969万ドル | 0ドル |
| 2026年1〜3月期 | 1,966万ドル | 1,459万ドル |
| 2026年4〜6月期 | 956万ドル | 707万ドル |
| 2026年7〜9月期(集計途中) | 1,123万ドル | 682万ドル |
集計途中の7〜9月期は、24日時点で1,123万ドルとすでに前の四半期を上回った。収益の一部はLITの買い戻しに充てられている。
コインマーケットキャップによると、LITの価格は24日13時54分時点で5.22ドル(約826円)。1週間で7.46%上昇したものの、2025年12月30日につけた最高値7.86ドルを約34%下回る水準にある。
時価総額は約13億ドル(約2,057億円)。流通量は総供給量10億LITのうち2億5,000万LITにとどまる。
米国では株式無期限先物が審査段階
ライターがオンチェーンで扱う米国株の無期限先物は、米国内ではまだ規制上の手続きの途中にある。暗号資産取引所コインベースの子会社コインベース・デリバティブズは9月18日、米国上場株とETFを参照する無期限先物の上場承認を商品先物取引委員会(CFTC)に申請した。
同じ日には、予測市場のカルシと、クラーケンを運営するペイワードも同種の申請を出した。コインベースの申請の審査期限は11月2日で、3社の申請はいずれも承認されていない。
ビットワイズの欧州責任者ブラッドリー・デューク氏は、ライターを米国株などの伝統的資産を暗号資産と並べてブロックチェーン上で取引できるようにするプラットフォームと位置づけた。BLITは規制された仕組みでこの分野に投資する手段になると述べた。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.26円)


