英国の銀行業界団体UK Finance(UKファイナンス)は24日、国内の銀行7行がトークン化したポンド預金を使い、初めて本番の顧客取引を完了したと発表した。実施したのは住宅ローンの借り換え2件と個人間の売買1件で、条件がそろった時点で資金が自動的に支払われる仕組みを使った。取引の基盤は、Quant(クアント)が開発した。
資金を「ロック」し、条件がそろえば自動で支払い
取引は、UKファイナンスが主導する「Great British Tokenised Deposit(GBTD)」の枠組みで行われた。参加するのは、バークレイズ、HSBC UK、ロイズ・バンキング・グループ、モンゾ、ネーションワイド、ナットウエスト、サンタンデールの7行だ。
トークン化預金は、銀行預金をデジタルに表したものだ。預金としての信頼や規制上の保護を保ったまま、条件に応じて支払いを自動で実行するプログラムを組み込める。
| 取引 | 件数 | 仕組み |
|---|---|---|
| 住宅ローンの借り換え | 2件 | 資金をロックし、決済の時点で自動的に解放 |
| 個人間の売買 | 1件 | 買い手の口座で代金をロックし、商品の受け渡しが済んだ時点で解放 |
住宅ローンの借り換えでは、決済までの間も口座の資金に利息がつく。英国の土地登記所とデジタルで連携した場合に、今後の取引をどこまで効率化できるかも検証したという。
取引の金額や、どのような台帳を使ったかは公表されていない。
UKファイナンスは今後数カ月のうちに、トークン化預金をデジタル資産の決済に使う試験を行う。参加銀行がデジタル債券を発行して売買・決済し、利払いをトークン化預金で行う計画で、証券と資金、中央銀行の準備預金を同時に受け渡す「DvPvR」の実現を目指す。
GBTDは2025年9月に始まった。Quantは当時、取り組みは2026年半ばまで続くと説明していた。
ルーシー・リグビー財務経済担当相は、今回の取引を「英国の決済イノベーションにとって重要な節目」と位置づけ、より安全で革新的な決済の仕組みづくりに向けて、業界や規制当局と協力を続けると述べた。



