米商品先物取引委員会(CFTC)の担当3部門は24日(米国時間)、登録業者による暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンの利用に関するFAQを更新し、公開ブロックチェーン上の記録で法定の記録保存義務を満たせるとの見解を示した。オフチェーンに控えを持たないことだけを理由に、問題視はしないという。分散型取引所ハイパーリキッドの政策団体は、7月に要望していた内容だとして歓迎している。
オフチェーンの控えは不要、障害への備えは必要
FAQは、市場参加者部、市場監視部、清算・リスク部の3部門がまとめたもので、3月20日に公表した版に4つの質問を追加した。あくまでスタッフの見解で、委員会としての見解ではなく、法的な拘束力もない。
セリグ委員長は、業界に規制の明確さを示す取り組みに沿うものだと歓迎した。
記録保存を定めた規則1.31と45.2は、特定の技術を前提にしていない。そのためスタッフは、要件を満たす限り、ブロックチェーン上の記録で義務を果たすことを問題視しないとした。対象は先物取次業者(FCM)、清算機関、スワップ取引業者、取引所などだ。
ブロックチェーンとは別にオフチェーンの控えが必要かという質問には、持たないという理由だけでは問題にしないと答えた。
ただし、誰でも参加できる公開型のブロックチェーンを使う場合には条件を付けた。ネットワークやブロックエクスプローラーが障害で止まっても、記録を保持してCFTCに提出できる仕組みを整えるよう求めている。
顧客資金の運用については、規則1.25で認められた資産であれば、トークン化された形でも運用できるとした。従来の形と同等の法的・経済的権利があることなどが条件で、ステーブルコインで顧客資金を運用することは、引き続き認めていない。
ハイパーリキッド陣営の要望、残る2点
政策団体ハイパーリキッド・ポリシー・センター(HPC)はXで今回の更新を歓迎し、ウォレット大手Phantom(ファントム)と7月に求めていた内容だと説明した。
両者が7月9日に出した共同書簡の要望は、次の3つだった。
| 要望 | 内容 | 今回のFAQ |
|---|---|---|
| 開発者の登録義務 | オンチェーンのソフトウェアを開発・公開するだけでは、登録義務は生じないと確認する | 触れていない |
| 登録業者のオンチェーン利用 | 取引所、清算機関、仲介業者が、規制上の業務にオンチェーン技術を使う際の指針を示す | 記録保存の部分のみ |
| ウォレットの扱い | 自己管理型のウォレットなどを、仲介業者として扱わない方針を規則にする | 触れていない |
2つめの要望の中でも、記録保存は一部にすぎない。書簡は、取引所による注文の照合、清算機関による証拠金の管理や決済、顧客資産の分別管理にオンチェーン技術を使えることの確認も求めていたが、今回のFAQはこれらに触れていない。
CFTCはFAQの脚注で、6月に実施した情報提供依頼への意見でも記録保存の規則が挙がっていたと記し、dYdXラボ、ブロックチェーン協会、ソラナ・ポリシー・インスティテュートの書簡を例示した。
ハイパーリキッドをめぐっては、クラーケンの親会社ペイワードが16日、ハイパーリキッド上で米国向けの無期限先物を提供する計画を発表している。米国の登録取引所ビットノミアルが市場を開設し、ハイパーリキッドの公開ブロックチェーン上のオーダーブックが取引の照合と記録を担う仕組みだ。


