ビットコイン(BTC)は15日、日本時間午前6時台に急騰を見せた。BTCUSDの1時間足チャートでは、6時付近に63,900ドル台で推移していた価格は、直後に65,000ドル台半ばまで上昇。執筆時点では65,670ドル付近を推移しており、一旦調整して再度上を試している状況だ。

米イランMoU草案が買い材料として意識
今回の価格上昇の背景には、米国とイランの覚書(MoU)草案をめぐる中東情勢の緊張緩和期待があるとみられる。イランのメフル通信社の報道によると、イラン交渉団に近い関係者が、米国とイランの14項目にわたるMoU草案の詳細を明らかにしたという。
草案には、レバノンを含む全戦線での恒久的かつ即時の戦争終了、米国によるイラン内政への不干渉、30日以内の海上封鎖解除、ホルムズ海峡の再開などが含まれている。加えて、石油・石油化学製品販売への制裁停止、イランの金融資源への完全なアクセス、60日間の最終交渉期間中に240億ドル(約3.8兆円)の凍結資金を解除する内容も盛り込まれた。
ただし、メフル通信社は同草案についてイラン国内の関連機関による確認と最終化が必要だとも伝えており、最終合意として扱うには注意が必要になる。
ホルムズ海峡や石油制裁をめぐる不透明感は、エネルギー市場だけでなく、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産全体の心理にも影響しやすい。今回の草案内容が、地政学リスクの後退を意識させる材料となり、ビットコインの買い戻しにつながった可能性が考えられる。
ETF流入とSpaceX上場も市場心理を支えた可能性
直近では、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金流入も意識されている。コイングラスが提供するETFフローでは10日に3,470BTC、11日に365.94BTCの純流出となった一方、12日は1,350BTCの純流入に転じた。単日トータル純流入額は執筆時点で約8,590万ドル(約137億円)、総純資産は約1,026億ドル(約16兆円)となっている。

また、12日のSpaceX上場も、投資家心理を支えた可能性がある。報道によると、同社株はIPO価格135ドルに対し、取引開始時に150ドル前後で推移したという。大型IPOを前にした投資家の資金シフトが直近のビットコイン下落の一因として意識されていたが、この上場で売り圧力への警戒感が一部和らいだ可能性も否定できない。
当面は米イランMoU草案が実際に進展するかが、ビットコイン市場での焦点となる。一方、大型IPO関連ではオープンAIやアンソロピックなどAI企業の上場が控えており、資金移動への警戒感は引き続き注視される可能性がある。今後とも複数の外部材料がビットコイン市場の方向性を左右する展開が続きそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.2円)



