ネイルサロン「FASTNAIL(ファストネイル)」を展開する東証グロース上場のコンヴァノ(6574)は24日、同日開催の臨時取締役会において、グループが保有するすべての暗号資産(仮想通貨)を売却する方針を決定したと発表した。原則として同日から概ね3か月以内を目途に、売却を完了させる考えだ。
優待充当分を除く全量が対象、帳簿価額は87億円
売却の対象は、コンヴァノおよび連結子会社が保有する暗号資産の全量で、種類は問わない。ただし株主優待制度に基づく優待品の交付に充てる分は対象から外し、引き続き保有する。
対象となる暗号資産の帳簿価額は、2026年3月31日時点のグループ合算で8,766,742千円(約87億6,700万円)。売却手法は市場の流動性と価格動向を見極めながら、可能な限り高い価格で速やかに処分することを基本とし、市場環境次第では分割して売却する場合もあるとしている。
売却に踏み切る理由として同社は、暗号資産の価格変動リスクの大きさと、それがグループの財務内容に及ぼす影響を挙げた。財務体質の安定化と資本効率の向上を図るため、市場環境が相応に良好な時機を捉えて現金化し、成長性・収益性の高い事業投資と株主還元へ資金を振り向けるのが適切だと判断している。
売却代金の具体的な使途は、今後の資本政策と財務状況を踏まえて検討し、決定次第開示するという。
保有量762.68 BTC、含み損は42億円

JinaCoinのコンヴァノ企業データによると、同社のビットコイン(BTC)保有量は762.68 BTC。平均取得単価は1,619万3,000円(約9万8,900ドル)で、7月24日16時9分時点の未実現損益はマイナス42億円(-33.9%)となっている。
同時点のBTC評価額は81億7,000万円(4,990万ドル)。3月末の帳簿価額87億6,700万円と比べると、およそ6億円下回る計算になる。
ビットコイン価格は1BTC=1,071万2,092円(約6万5,400ドル)で推移しており、2025年10月に付けた最高値12万6,000ドル台のほぼ半値の水準が続く。
国内上場企業では5位、総保有量の約1.5%

JinaCoinのビットコイン保有上場企業ランキング【日本】では、コンヴァノは763 BTCで国内5位に位置する。国内上場企業の総保有量は49,302.11 BTCで、同社分はその約1.5%にあたる。
株価は87円(前日比-1.14%)、時価総額は443億円。BTC評価額に対する時価総額の倍率を示すmNAVは5.42倍で、保有量首位のメタプラネット(0.62倍)を大きく上回る水準にある。
21,000BTC計画から1年、財務戦略は完全撤退へ
コンヴァノが初めてビットコインを取得したのは2025年7月22日だった。同年10月には中期財務戦略「シン・コンヴァノ 21,000 ビットコイン財務補完計画」を策定し、長期保有から積極運用へと方針を切り替えている。
転機は同年11月21日。最大21,000BTCの保有方針を撤回し、本業起点の事業成長とM&Aを重視する戦略へ転換した。BTCの取得は同日の97.6775 BTC購入を最後に途絶えており、以降の保有量は762.68 BTCで変わっていない。
2026年5月には、BTC戦略を主導した東大陽取締役が、2026年3月期の評価損に対する経営責任を明確化するため退任すると発表された。
今回の方針決定により、優待充当分を除く同社の暗号資産保有は、売却完了時点で解消されることになる。
業績への影響について同社は、売却損益が発生する可能性はあるとしつつ、対象の暗号資産は前会計年度末に時価評価を行い評価損益を計上済みであるため、売却の実行自体による当期業績への追加的な影響は軽微だと説明している。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=163.69円)



