エミレーツ航空は28日、暗号資産取引所Crypto.com(クリプトドットコム)の決済サービス「Crypto.com Pay(クリプトドットコム・ペイ)」を正式に導入したと発表した。ウェブサイトとアプリで航空券を予約する際、決済手段として選べるようになる。
対象はクリプトドットコムのアカウントを持つ顧客だ。emirates.comとエミレーツアプリの決済画面で選択すると、UAEの規制基準に準拠した形で取引が処理される。
ただし利用できるのは、UAEの対象居住者に限られる。価格表示と決済がUAEディルハム(AED)建てで行われる予約が対象で、日本の利用者は現時点で対象外だ。
2025年7月の覚書から約1年で実装
今回の導入は、2025年7月に発表された提携を実際の形にしたものだ。両社は当時、クリプトドットコム・ペイをエミレーツ航空の決済システムへ統合する検討を目的に覚書(MoU)を締結しており、署名式にはエミレーツ航空グループのシェイク・アハメド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム会長兼CEOらが立ち会った。
同社副社長兼最高商務責任者のアドナン・カジム氏は今回、旅行の支払い方法における顧客の選択肢を広げるという約束を果たすものだと述べた。スマートフォンで資産を管理し旅程を組む若い世代の嗜好の変化を反映しているとし、こうしたイノベーションを可能にした規制環境を評価した。
クリプトドットコムのエリック・アンジアニ社長兼COOも、エミレーツ航空との提携は同社と決済機能にとって節目になるとコメントしている。
決済はクリプトドットコムのアプリで承認する
決済の流れは端末によって異なる。エミレーツアプリで予約する場合は、クリプトドットコムのアプリへ移動してウォレットから支払い、エミレーツアプリに戻ると予約確認とeチケットが発行される。パソコンの場合は、決済画面のQRコードを読み取ってアプリ側で承認すると、画面上にeチケットが表示される。
クリプトドットコム・ペイは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産で買い物ができるサービスとして提供されている。
ドバイのキャッシュレス戦略を後押し
今回の統合を担うのは、クリプトドットコムのドバイ法人だ。同法人は、UAE中央銀行からストアド・バリュー・ファシリティ(SVF)のライセンスを付与された初の仮想資産サービスプロバイダー(VASP)である。
導入は、D33経済アジェンダに基づく「ドバイ・キャッシュレス戦略」を支える取り組みでもある。同戦略は2026年末までに、政府と民間の全金融取引の90%をデジタル化することを目指す。
エミレーツ航空は昨年、デジタル決済の推進に向けてドバイ・ファイナンスと提携しており、今回の導入はその延長線上にある。
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