暗号資産運用会社ヴァンエックのデジタル資産リサーチ責任者マシュー・シーゲル氏は24日、デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)企業のうち、蓄積戦略を放棄・縮小した上場企業をX投稿で列挙した。同氏は各社の対応を「全売却・完全撤退」「一部・継続的な売却」「蓄積縮小・積極運用への転換」に分類している。
完全撤退と一部売却、対応分かれる
シーゲル氏は完全撤退の事例として、サツマ・テクノロジーを挙げた。同社は668BTCをすべて売却し、投資家への資本返還と上場廃止を進める方針を株主投票で承認。売却規模は約4,350万ドル(約71億円)とされる。
ビットディアについては、2月に残る943BTCを売却して保有残高をゼロにし、AIデータセンターへの事業転換資金に充てたと説明した。プレネティクスも510 BTCを約4,130万ドル(約68億円)で全売却し、今後のデジタル資産購入を禁じる方針を採用したという。
一方、シーゲル氏はマラ・ホールディングスやストラテジー、ナカモトなどを、債務返済や運転資金の確保を目的とした一部売却の事例として紹介している。同氏は暗号資産への評価低下だけでなく、財務改善や事業転換といった背景によって各社の売却理由が異なる点を指摘した。
ストラテジーの売却、DAT市場の信頼を圧迫
ヴァンエックが20日に公開したレポートによれば、直近30日間に企業財務が2,343BTCを積み増した一方、米国のビットコイン上場取引型金融商品(ETP)は4万10BTC減少したという。
同レポートでは、ストラテジーが転換社債の償還後、5月末時点で約9億ドル(約1,473億円)の米ドル準備しか残さず、利息・配当負担の約6カ月分にとどまったと指摘。市場の圧力を受け、同社は32BTCに続いて3,588BTCを売却し、この動きがDAT銘柄全体への信頼を揺さぶったと分析している。
シーゲル氏とヴァンエックの分析は、保有量の拡大だけでDAT戦略の持続性を判断できないことを浮き彫りにした。投資家や市場にとって、DAT企業評価時の財務基盤の安定性はこれまで以上に重視されそうだ。
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