東証グロース市場に上場する株式会社イオレ(2334)は29日、暗号資産(仮想通貨)ハイパーリキッド(HYPE)を取得したと発表した。次世代金融インフラ構想「Neo Crypto Bank」の一環で、同社によると国内の上場企業がHYPEを取得した事例は初めてとなる。
平均取得単価は9,352円、8月末までに総額1億円へ
取得日は7月28日。購入金額は10,084,663.8716円、購入数量は1,078.25469311 HYPEで、平均取得単価は9,352.776円だった。
イオレは今後、相場動向や流動性を勘案しながら8月末までに複数回に分けて追加購入を行い、初回分を含めた購入総額を1億円とする予定だ。今回の取得は、7月16日付で公表した資金使途「デジタルアセットの購入」に基づくものだとしている。
BTC保有量は国内7位、約5カ月ぶりのデジタルアセット取得

JinaCoinの独自集計によると、イオレのビットコイン(BTC)保有量は168.50 BTCで、国内上場企業では7位に位置する。評価額は約17.6億円だ。上位はメタプラネットの43,000 BTC、ネクソンの1,717 BTC、リミックスポイントの1,491 BTCが並ぶ。
同社がBTCの保有を開始したのは2025年10月7日で、直近の取得は2026年2月27日の5.0636 BTC(約4,995万円)。今回のHYPE取得は、そこから約5カ月ぶりのデジタルアセット購入となる。
BTCの平均取得単価は1BTCあたり約1,472万円で、未実現損益は約マイナス7億円(マイナス28.9%)となっている。時価総額は約197.7億円、株価純資産に対する時価総額の倍率を示すMNAVは11.14倍。今回発表した1億円の購入枠は、時価総額の約0.5%にあたる規模だ。

なお国内上場企業のBTC総保有量は49,302.11 BTC(約5,173.7億円)で、全供給量の0.2457%を占める。
「AIエージェント経済」の金融レイヤーと位置づけ
同社は取得の背景として、AIが人に代わって決済や契約を自律的に担う「Agentic Commerce(AIエージェント経済)」時代を見据えたインフラ構築を挙げた。銀行口座を持たないAIが利用するのは、スマートコントラクトに基づく高速かつ低コストなオンチェーン金融基盤だとの認識を示している。
2025年10月に発表したNeo Crypto Bank構想はこれを社会実装するためのもので、単なるキャピタルゲイン目的の投機ではないと明記した。既存のBTC保有に加える形となる。
ハイパーリキッドについては、秒間数千件の取引を100ミリ秒未満で処理する金融特化型の独自レイヤー1と、イーサリアム互換環境「HyperEVM」を併せ持つ点を評価。中央集権型取引所に匹敵する低遅延と透明性を両立し、自律型AIエージェントによる取引との親和性が高いと説明している。
取引手数料に基づくプロトコル収益の実績を背景に、エコシステムの成長が保有者へ還元されやすい設計になっている点も挙げた。
海外ではHYPE特化型DATを通じた間接投資が拡大
イオレは海外動向にも言及し、オンチェーン資産を直接保有・運用することが難しい機関投資家を中心に、ナスダックなどに上場するHYPE特化型のDAT(デジタル・アセット・トレジャリー)企業を通じた間接投資の動きが見られると指摘した。
今後については、投資対象を単一の暗号資産に限定せず、Neo Crypto Bank構想の実現に向けてポートフォリオを拡張する方針を示した。保有資産のレンディングによる収益機会の拡大や、伝統的金融市場を活用した変動リスクのヘッジなども検討事項として挙げている。
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※BTC保有データはJinaCoin独自集計、2026年7月29日8時49分時点



