米決済大手Visa(ビザ)が、全従業員の約7%にあたる約2,600人を削減することが明らかになった。削減対象は主にテクノロジー部門とプロダクト部門で、今後はステーブルコインを含む成長分野への再投資を進める方針だという。ブルームバーグがその詳細を28日に報じている。
決済業界で相次ぐ人員削減、ビザも効率化を推進
今回の人員削減について、ビザCEOのライアン・マキナニー氏は社内メモで、効率化を進め、同社や顧客、提携先にとって重要な成長機会へ再投資する方針を示した。
再投資先には、消費者・法人向け決済、資金移動ソリューション、付加価値サービスが含まれる。付加価値サービスでは、ステーブルコインやクロスボーダー決済、企業間(B2B)向けサービスなどが挙げられている。
マキナニー氏は、AIが反復作業の削減や商品開発の迅速化を後押しし、働き方の変化を加速させていると説明した。ただし、事情を知る関係者によると、AIは人員削減を決めた唯一の要因ではないという。
決済関連企業では、ほかにも人員削減の動きがみられる。報道によると、競合するペイパルやブロックもここ数カ月で、ビザより大きな割合の人員削減を発表しているという。
ステーブルコイン事業の実行体制が焦点に
ビザは今回の報道に先立つ16日、企業向けの「ビザ・ステーブルコイン・プラットフォーム」を発表した。金融機関やフィンテック企業などが、ステーブルコインの発行や償還、移転などをひとつの環境で行える基盤で、現在は一部顧客向けにベータ版を提供している段階だ。
同基盤では、オンチェーンウォレットの管理や銀行口座との接続、承認権限の設定にも対応する。加えて、既存の決済や財務、資金移動の仕組みにステーブルコイン機能を組み込むことも想定している。
今回の人員削減が、同基盤の開発や展開に与える影響は不透明だ。今後組織の効率化を進めながら、ビザ・ステーブルコイン・プラットフォームを含む新規サービスの開発と展開をどこまで加速できるかに注目したい。
関連:ビザやグーグルなど140社超、新ステーブルコイン「Open USD(OUSD)」発表
関連:ビザ、米国でステーブルコイン「USDC」清算開始──ソラナ採用



