米商品先物取引委員会(CFTC)は11日、予測市場を運営するKalshiEX LLC(カルシ)をめぐり緊急権限を行使し、同社に取引所の運営を継続するよう命じた。
カルシの運営停止リスク受けCFTCが対応
今回の対応の発端となったのは、7月31日のニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズ氏によるカルシの提訴だ。州側は同社のイベント契約提供を問題視し、一時的差止命令(TRO)に加え、360億ドル(約5.7兆円)の損害賠償などを求めた。
これを受け、カルシはCFTCに対して翌8月1日に緊急事態を通知。CFTCはニューヨーク州の執行措置とTRO申立てが「重大な市場混乱」にあたると判断し、DCMの突然の停止を防ぐため、緊急権限の行使に踏み切った形だ。
CFTCは「カルシがTROにより、指定契約市場(DCM)としての運営全体が停止する可能性がある」と説明。顧客への返金や完了済み取引の利益返還を迫られ、トレーダーの損失や市場混乱につながるリスクを指摘している。
イベント契約の管轄巡りCFTCと州が対立
DCMで取引されるデリバティブについて、CFTCは商品取引所法(CEA)に基づく排他的な管轄権を持つとの立場だ。カルシは2020年11月、CFTC規制下のDCMに指定されている。
こうした立場から、マイケル・S・セリグCFTC委員長は「州ごとの賭博法でデリバティブ取引所を規制することを議会は意図していない」と主張。州境を越えて取引するカルシをニューヨーク州が規制すべきではないとの見解を示した。
一方、カルシ側はザ・ブロックの取材に対し、「金融取引所は流動性に依存する」と説明。ナスダックを例に、特定州での停止が全米の取引に影響し得るとして、連邦レベルでの規制の必要性を訴えた。
カルシには運営継続が求められたものの、ニューヨーク州との訴訟そのものについて最終的な司法判断が示されたわけではない。今後は、イベント契約の管轄をめぐる司法判断が焦点となりそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.4円)


