米証券取引委員会(SEC)は10日、暗号資産(仮想通貨)に関係する一定の投資契約を対象に、専用の募集・発行制度を設ける規則案について、14日の公開会合で審議すると発表した。SECが公開した議題によると、今回の案件名は「Regulation Crypto Assets」となっており、企業金融部が担当するという。
暗号資産向けの募集・発行制度を審議
今回検討されるのは、新規則そのものを最終的に採択するかどうかではない。SECは、暗号資産に関係する一定の投資契約を対象とした募集・発行制度を設ける新規則案の提案リリースを公表するかどうかを判断するとしている。
公開会合は8月14日午前10時(米東部時間)から、ワシントンD.C.にあるSEC本部で開催。一般にも公開され、SECの公式ウェブサイトを通じて同時配信される予定だ。なお、会合資料では対象の暗号資産や投資契約の具体的な範囲、制度の適用条件は示されていない。
今回の規則案をめぐっては、SECが議会での法整備を待たずに、暗号資産の募集・発行ルールを具体化する可能性が指摘されている。
米ニュースレター「クリプト・イン・アメリカ」によると、アトキンスSEC委員長らはこれまで議会を先回りする規則制定には慎重だったものの、足元ではその姿勢に変化の兆しがみられるという。
一方、暗号資産市場の規制枠組みを定める「クラリティ法案」の審議が停滞するなかでも、規制当局による暗号資産ルールの整備は進んでいる。クリプト・イン・アメリカは、今回のSECの動きもその一例として伝えている。
クラリティ法案、9月の本会議日程に復帰
そのクラリティ法案は、8月上旬の休会前に採決日程が組まれず、業界内に失望が広がっていた。ただし審議そのものが打ち切られたわけではない。
クリプト・イン・アメリカによると、スーン上院院内総務が土曜未明に本会議上程の動議についてクローチャー(討論終結)を提出した。これにより、議員が8月休会から戻る日程に法案が乗った。同メディアは、手続き上の重要な採決が上院再開の翌日にあたる9月15日午後に設定される可能性が高いとみている。
登録免除・セーフハーバー導入の可能性も
規則案の具体像についても、クリプト・イン・アメリカはいくつかの可能性を伝えている。同メディアは一定の暗号資産募集を対象に、登録免除やセーフハーバーが設けられるとの見方を示した。
さらに同メディアは関係者の話として、今回の規則案がSECと米商品先物取引委員会(CFTC)が3月に示した共同解釈を踏まえる可能性にも言及。同解釈ではトークンを5つに分類し、投資契約の成立・終了時点を整理している。
仮にこうした内容が規則案に盛り込まれれば、一定の暗号資産募集について、既存の証券規制とは異なる取り扱いを認める方向性が示される可能性がある。14日の審議を経て提案リリースが公表される場合、対象となる暗号資産や適用条件、登録免除やセーフハーバーの要件がどこまで具体的に示されるかが焦点となりそうだ。
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