共同通信は20日、新たな電子決済手段として政府や金融機関が関心を寄せるステーブルコインが、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されていると報じた。法定通貨と連動して価格が安定し、送金も速いという特徴から、特殊詐欺などで得た資金の交換先になっているという。
大阪府警、資金洗浄の疑いで3人逮捕
報道によると、2026年3月、投資詐欺グループに代わって収益を資金洗浄したとして、大阪府警が組織犯罪処罰法違反の疑いで男3人を逮捕した。3人は6都県の10人から集めた計約1,400万円を、ステーブルコインなどに換えて出所を隠していた疑いがあるとされる。
府警によると、3人は取引所を介さず個人間で暗号資産(仮想通貨)をやり取りする「相対屋(あいたいや)」だという。十数億円規模の資金洗浄に関与していたとみられる。
ステーブルコインは暗号資産の一種とされ、ビットコイン(BTC)などと同じブロックチェーン技術で管理される。データが改ざんされにくい一方、価格が安定し送金が速いという性質は、犯罪で得た資金を素早く移動・交換する手段としても利用されうる。
京都大学の岩下直行名誉教授(金融論)は、ステーブルコインが「一度犯罪に使われると、捜査が非常に困難になる」と指摘する。国内での取引が本格化するなか、悪用を防ぐ対策が必須だとの見方を示している。
国内では、ステーブルコインの実用化が進んでいる。SBIホールディングスはスターテイル・グループと信託型の日本円ステーブルコイン「JPYSC」の発行を計画し、三菱UFJ・みずほ・三井住友の3メガバンクも共通ステーブルコインの実取引を計画する。先行する日本円ステーブルコイン「JPYC」も利便性の向上を進めており、普及が広がるなかで、取引の透明性確保や個人間取引への監視など、悪用を防ぐ仕組みづくりが課題となる。
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