三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3メガバンクは10日、3行が共同委託者として関与するステーブルコインを使い、2026年度中に実際の商用取引を行うことを目指すと発表した。あわせて、実用化に向けた運営体制やガバナンスなどを共同で検討するため、自主的な協議会を設立する覚書を締結した。
協議会を設立、発行インフラやガバナンス構造を検討
今回対象となるステーブルコインは、3行が共同委託者となり、信託銀行などが受託者となる信託契約に基づいて発行される想定だ。3行はステーブルコインが幅広い用途で活用される可能性を見据え、2026年度中のライブ取引開始に向けた取り組みを加速させるとしている。
3行が設立を目指す協議会は、対象ステーブルコインに関する発行インフラの整備可能性やスキーム、ガバナンス構造などの設計を検討する枠組みと位置付けられている。今後は関連法令や市場動向を踏まえながら、協議会設立に向けた準備を進める。
また、協議会では将来的に参加する可能性のある金融機関、その他の関係者との連携のあり方も検討する。3メガバンクだけの取り組みにとどまらず、より広い金融機関や関係者を巻き込む可能性を残した形だ。
金融庁実証を経て、信託型ステーブルコインの商用化へ
こうした取り組みの背景には、国内外でブロックチェーン技術を使った決済高度化の動きの拡大がある。3行は昨年11月、金融庁の「フィンテック実証実験ハブ」の支援案件に採択された実証実験を通じ、ステーブルコイン発行に向けた協議を重ねてきた。
実証では、複数の銀行グループが共同でステーブルコインを発行する際の規制対応や実務対応が検証されてきた。対象ステーブルコインは送金上限の制約がない信託型として設計されており、企業間決済などの高額取引での利用を想定。円建てで規格を統一し、将来的にはドル建てに対応することも検討されている。
最初の利用企業には三菱商事が想定されており、日本拠点と海外拠点間の越境決済に活用する計画だ。システム面では、3メガバンクグループなどが出資するプログマの基盤を採用する方針も示されている。
銀行間で共通して使えるステーブルコインを実用化できれば、企業間決済や越境決済における送金コスト、処理時間、事務負担の削減につながる可能性がある。今後は3メガバンクが協議会を通じて実務面の課題をどこまで整理し、商用取引につなげられるかに注目していきたい。
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