暗号資産(仮想通貨)分析企業グラスノードは7月29日、米国債の利回りが暗号資産の運用収益を上回るなかで、ビットコイン(
BTC)の現物取引が低迷しているとの分析レポートを公開した。同社によると、レポート公開時点での現物出来高は2019年以来の低水準に落ち込んでいるという。
「米国債で待機」が市場参加を鈍らせる
グラスノードは、ビットコインの3カ月物先物ベーシスが2月以降、米2年債利回りを下回る状態が続いていると指摘した。利回りの高い米国債に資金が向かいやすくなったことで、暗号資産市場へ資金や流動性を供給する動きが鈍っていると分析している。
こうした状態が長期化するのは、2022年末のサイクル安値付近以来、記録上で2回目となるという。ただし、現在の調整は過去の弱気相場と比べて下落率が小さく、期間もまだ短いことから、同社は底が近いとは断定していない。
また、米ドルは5月以降上昇しており、現在のドル高局面ではビットコインが過去の多くの事例より弱い値動きとなっている点も指摘。グラスノードは、株式市場に対して一時見られた相対的な強さも足元では薄れているとした。
出来高回復と重要価格帯の突破が焦点に
市場参加の鈍化は、複数の指標に表れている。グラスノードは、現物出来高に加えて取引所への資金フローやビットコイン現物ETFの買い需要も静かな状態にあると説明した。
レポート公開時点で、ビットコインは約6万2,000ドルから6万8,000ドルの取得価格が集中する範囲で推移していた。この価格帯では、短期保有者と長期保有者のコインがほぼ半分ずつを占めているという。
グラスノードは、仮にこの価格帯を下回った場合、相場の弱さが一段と鮮明になる可能性があるとみている。特に、下落局面で取引所への資金流入が増えるかが焦点になるとした。
一方、6万9,000ドル付近では、損益分岐点を迎える保有者の売りが出やすいという。この水準を出来高の回復を伴って上回れるかが、相場改善を見極めるうえでの目安だとしている。
米国債の利回り優位が続く間は、暗号資産市場で買い手や流動性が戻りにくい状況が続く可能性がある。今後は現物ETF需要と出来高の回復に加え、6万9,000ドルの上抜けと6万2,000ドル割れのどちらが先に明確になるかに注目したい。
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