Web3インフラ企業のDatachain(データチェーン、東京都港区)は15日、オンチェーンプライバシー基盤「KuraPrivacy(クラプライバシー)」の初期ローンチパートナープログラムを開始したと発表した。合同会社暗号屋や、Japan Open Chain(JOC)を運営する日本ブロックチェーン基盤など10社が参画し、ステーブルコイン取引のプライバシー保護と規制対応の両立を実証する。
透明性ゆえの課題、法人のステーブルコイン利用を阻む
ステーブルコインは、法人間決済やクロスボーダー送金を支える次世代の金融インフラとして期待されている。一方で、ブロックチェーン上の取引は透明性が高く、取引先や金額、保有資産がチェーン上に公開される。この構造が、企業による本格利用の障壁になっていた。
プライバシー技術自体はこれまでもブロックチェーン業界で注目されてきたが、その多くは個人ユーザー向けだった。AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)への対応や監査対応、複数人での運用を想定した柔軟な鍵管理・復旧手段といった、法人利用に欠かせない要件を満たすものは限られていたという。
KuraPrivacyは、こうした法人の要件とプライバシーの両立を狙う基盤だ。
データチェーンが2025年から設計・開発を進めてきたもので、すでにテスト環境での動作確認は完了しているという。今後は、企業の日常業務での利用を見据えたウォレットや送金アプリの作り込み、UI/UX設計が主要なテーマになるとしている。なお製品名は、従来の「Datachain Privacy」から「KuraPrivacy」へ正式に改称された。「Kura」は、財産を堅牢に守りつつ出し入れする者を限る日本語の「蔵」に由来する。
法人向けウォレットと送金アプリを共同開発、10社が参画
プログラムでは、KuraPrivacyを使った2つのプロダクトの開発を進める。ひとつは、プライバシー送金や柔軟な鍵管理・リカバリー、パスキー認証、ワークフロー承認、監査対応などを備えた法人向けウォレットだ。もうひとつは、既存のウォレットをそのまま使ってプライバシー送金を実行できる送金アプリケーションである。決済事業者やウォレット事業者向けには、自社サービスへ機能を組み込むためのAPIやSDKも順次公開する。
パートナーとして参加するのは、合同会社暗号屋、Gaia、GALLUSYS、グリーンモンスター、幻冬舎、Speee、トレーダム、日本ブロックチェーン基盤、Fracton Ventures、HODL1の10社(五十音順)だ。各社はユースケースの検証、要件・UI/UXに関するフィードバック、テストネット・メインネットでのプロダクト利用、共同での情報発信を担う。Datachainは、参画企業を引き続き拡大中としている。

データチェーンは、本プログラムで得た知見をもとに開発を加速し、金融機関や事業会社への広範な展開を目指す。日本・アジア発で、エンタープライズ向けオンチェーンプライバシーの標準確立を狙う構えだ。
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