ステーブルコイン「USDT
USDT」を発行するテザー社は31日、2026年第2四半期の財務および準備金の証明レポートを公開した。同四半期の純営業利益は約15億ドル(約2,361億円)に達した。暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額が減少するなかでも、USDTの発行総額は約4億4,600万ドル(約702億円)増加の約1,846億ドル(約29兆円)となり、シェアも60%を突破した。
巨額の純営業利益の源泉は米国債とレポ取引
テザー社はUSDTの裏付けとなる準備金の運用において、主に米国債やレポ取引を活用している。これらの資産による運用益が、今四半期における15億ドルの純営業利益を牽引したと報告している。
6月末時点における同社の総資産は約1,877億ドル(約29兆円)、総負債は約1,836億ドル(約28.9兆円)であった。裏付け資産が負債全額を完全にカバーしたうえで、さらに約41億ドル(約6,454億円)の余剰準備金を確保している状態だと明らかにした。
同社は引き続き、世界最大規模の米国債保有者の一つとなっている。また、準備金の多様化に向けた動きとして、当四半期中に金(ゴールド)を新たに14トン追加取得し、全体の保有量を146トン以上に拡大したと報告した。
一方で、準備金の多様化と健全性向上のため、担保付き貸付のエクスポージャーを約23億8,000万ドル(約3,746億円)以上削減した。これは全体の約15%に相当し、ボラティリティが高い市場環境への備えを一層強めているとしている。
市場の圧力に対するCEOの見解
パオロ・アルドイノCEOは今回の結果について、現実の市場圧力の下でも同社の準備金戦略の強さが証明されたと述べている。ボラティリティが高い環境下においても、USDTは完全な裏付けを維持している点を強調した。
さらに、第2四半期中に世界中のユーザーベースが3,000万人以上増加した事実にも言及した。今後の展開として、多様化された準備金構造を維持しつつ、並行して大手監査法人による本格的な監査手続きも進められているとしている。
暗号資産市場全体の時価総額が落ち込む中、USDTが発行額を伸ばしシェア60%超を達成した点は特筆すべきである。米国債による安定した運用益が潤沢な余剰準備金を生み、市場のボラティリティに対する強力な防波堤となっている。ステーブルコインにおける一強体制は今後も継続する公算が大きい。
関連:テザー、21キャピタル株をソフトバンクから取得──BTC保有量2位の上場企業
関連:決済するほど金が貯まる──テザー、世界初の金担保Visaカードを発表
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.4円)



