米ホワイトハウスで暗号資産政策を統括するパトリック・ウィット氏は8日、自身のXに「クラリティにとって重要な1週間になる」と投稿し、デジタル資産の市場構造を定める「デジタル資産市場明確化法(クラリティ法案)」をめぐる調整が、上院銀行委員会の可決後も水面下で続いていることを明らかにした。
同法案は米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を切り分け、デジタル資産に連邦規制の枠組みを与えるものだ。大統領デジタル資産諮問委員会のエグゼクティブ・ディレクターを務めるウィット氏は、独立記念日にあたる7月4日までの成立がなお達成可能だとの立場を、その後の取材でも繰り返している。
残る論点は農業委員会版・倫理・開発者保護の3つ
ウィット氏は、民主党議員が進展を求めた3つの領域で日々交渉を重ねていると説明する。1つ目は商品先物取引委員会の権限を左右する上院農業委員会版の法案、2つ目は政府高官の利益相反規定、3つ目はブロックチェーン開発者を保護する「ブロックチェーン規制確実性法(Blockchain Regulatory Certainty Act、BRCA)」である。
利益相反規定についてウィット氏は、特定の人物や家族を狙い撃ちするのではなく、大統領から議会スタッフまで一律に適用する形を求める方針を示してきた。
11日にはウィット氏とホワイトハウス暗号資産評議会がアイゼンハワー行政府ビルで法執行機関や議員らとの会合を開き、開発者保護を中心に議論したと、記者のエレノア・テレット氏が伝えている。会合には下院院内幹事のトム・エマー氏や、AI・暗号資産担当のデビッド・サックス氏も出席した。
上院本会議のカレンダー入り、可決には60票が必要
法案は2025年7月17日、下院を294対134の超党派で通過した。上院では同年9月18日に受理され、銀行委員会に付託された。委員会は5月14日、民主党2人が賛成に回り15対9で可決。6月1日、代替修正案を付して本会議へ報告され、同日に審議カレンダー(一般案件、Calendar No. 423)へ登録された。
上院での可決には60票が必要で、その後は上院農業委員会版との統合と、下院での再可決という手順が残されている。
現政権はクラリティ法案を最重要の未成立法案に位置づけ、2025年7月15日の政策声明でも下院案への支持を表明していた。
一方、予測市場には慎重な見方も残る。ポリマーケットとカルシでは、年内成立の確率がおおむね5割前後で推移している。上院の審議日程は7月の休会前まで限られており、ホワイトハウスの強気な見通しと市場の評価のあいだには、なお開きがある。
関連:米上院銀行委、暗号資産規制「クラリティ法案」を可決──賛成15・反対9で本会議へ
関連:米暗号資産規制クラリティ法、最新草案を公開──14日の委員会採決が山場



