米証券取引委員会(SEC)は12日、資産運用大手ティー・ロウ・プライスのマルチアセット型暗号資産ETF(上場投資信託)「T. Rowe Price Active Crypto ETF」の上場・取引を承認した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)アーカが申請していた規則変更を認める命令で、同ファンドはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など複数の暗号資産(仮想通貨)を組み入れてアクティブ運用する。
最大15銘柄を組み入れ、XRPやドージコインも適格資産に
承認されたのは、NYSEアーカ規則8.201-E(汎用)に基づく「コモディティ型信託受益証券」としての上場だ。同ファンドは特定の指数に連動するのではなく、暗号資産市場の指標であるFTSEクリプト・US・リステッド指数を上回る運用成績を目指す、アクティブ運用型の上場商品(ETP)となる。運用はティー・ロウ・プライス・スポンサーが担う。
通常の運用環境では、ファンドは「適格資産」と認められた暗号資産のうち5〜15銘柄を保有する想定だ。ただし状況によっては、5銘柄を下回る、あるいは15銘柄を上回る場合もあるとしている。
修正案2号の提出時点で適格資産とされたのは、ビットコイン、イーサリアム、ソラナ(SOL)、XRP、カルダノ(ADA)、アバランチ(AVAX)、ライトコイン(LTC)、ポルカドット(DOT)、ドージコイン(DOGE)、ヘデラ(HBAR)、ビットコインキャッシュ(BCH)、チェーンリンク(LINK)、ステラ(XLM)、シバイヌ(SHIB)、スイ(SUI)の15銘柄である。適格資産は指数の構成銘柄と一致する必要はなく、運用者の判断で組み入れる。
ファンドは暗号資産のほか、現金や現金同等物、ステーブルコインも保有できる。もっともステーブルコインは投資目的ではなく、経費の支払いや暗号資産の購入、円滑な取引のための「トークン化された現金」として用いる位置づけだ。具体的にはUSDコイン(USDC)を想定している。
2025年導入の汎用基準を踏まえつつ、アクティブ運用は個別に承認
NYSEアーカは2025年11月6日に規則変更を申請し、同月28日に連邦官報(Federal Register)で公示された。その後、2026年4月に修正案1号、5月に修正案2号が提出され、SECは6月12日に承認命令を出した。SECが承認・不承認の判断期限としていた7月26日より前の決定となった。
SECは2025年に、一定の要件を満たすコモディティ型信託受益証券の上場手続きを簡素化する汎用上場基準を導入していた。今回のファンドはアクティブ運用であり、ステーブルコインの保有も伴うため、汎用基準だけでは対応できず、個別の承認命令が必要になったとSECは説明する。命令のなかでSECは、運用者と関係者の間に情報遮断(ファイアウォール)を設けることや、ポートフォリオ情報が全市場参加者へ同時に開示されない場合は取引を停止することなど、アクティブ運用に対応した追加要件を確認した。
SECは今回の申請について、意見書(パブリックコメント)は1通も寄せられなかったとしている。
ビットコインやイーサリアムの現物ETFに続き、複数銘柄を運用判断で組み入れるアクティブ運用型の暗号資産ファンドにも対象が広がった形だ。指数に連動する従来型とは異なり、運用者が銘柄選択や配分を裁量で決める点が特徴となる。



