暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックス元CEOのアーサー・ヘイズ氏は9日、最新エッセイ「Reality Test」を公開し、AI株バブルの崩壊が暗号資産市場にも波及する可能性があるとの見方を示した。同氏は、市場全体を左右する要素として原油価格を挙げており、AI関連株と暗号資産の双方に短期的な下落圧力が及ぶ可能性を警戒している。
大型IPO・エネルギーコスト・トランプ発言、AI株に潜む3つのリスク
ヘイズ氏はエッセイの中で、米国とイランの対立によってホルムズ海峡の交通制限が長引けば、原油や天然ガス価格が上昇し、AIデータセンターの運営コストやAI企業の利益率を圧迫する可能性があると分析。エネルギー価格の上昇は、AI関連企業の収益性やデータセンター投資計画にも影響を与えかねないとみている。
同氏は、AI株のバブルを崩しうる要因として、エネルギーコストの上昇、スペースX・アンソロピック・オープンAIによる大型IPO、そしてトランプ氏によるAI規制や課税発言の3点を挙げた。
特に原油高が続いた場合、トランプ氏が選挙戦略としてデータセンター建設の抑制やAI企業への課税を打ち出す可能性もあると指摘。AI関連企業への市場期待が崩れれば、株式市場全体に影響が波及する可能性があるとの見方を示している。
また、ヘイズ氏は、AI関連投資が近年の米ドル流動性を大きく吸収してきたと分析。AI株が急落した場合、投資家のリスク許容度が低下し、暗号資産市場にも短期的な売り圧力が及ぶ可能性があるとみている。
ポートフォリオはエネルギー株が柱、BTCは下落後の反発を見込み保有継続
こうした見方を踏まえ、メイルストロムでは現在、米国上場のエネルギー生産企業をポートフォリオの主要な投資先に位置付けているという。ヘイズ氏は、原油や天然ガス価格が今後3〜6カ月で上昇する可能性が高いとの見方を示している。
ビットコインについては、AIバブル崩壊後の金融危機が流動性供給につながるとの見方から、下落後に反発するとの見通しを維持した。イーサリアムも保有を続ける一方、短期的にはデリバティブで戦術的なショートを取るとしており、当面は資本保全を優先する姿勢を示している。
なお、ヘイズ氏は先週HYPE(ハイパーリキッド)・NEAR(ニア・プロトコル)の売却を報告していたが、エッセイではさらにWLD(ワールドコイン)・ZEC(ジーキャッシュ)の2銘柄を手放したことも明かしている。
特にHYPEへの強気な見方を示してきたヘイズ氏が売却に踏み切った点は、市場の短期リスクを重視する姿勢を強調している。短期的な警戒姿勢を示しながらも、中長期ではビットコインの反発を確信する同氏の見立てが的中するか、市場の注目が集まりそうだ。
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