イーロン・マスク氏が率いるスペースXは20日、米証券取引委員会(SEC)にIPOの登録届出書を提出した。この中で、同社が18,712BTC(約14.5億ドル、約2,300億円)を保有していることが明らかとなった。届出書によると取得原価は6億6,100万ドル(約1,050億円)で、1BTCあたりの平均取得単価は約35,000ドル(約556万円)となっている。
2024年に約1,518億円の含み益、2025年は一転して損失計上
2025年12月末時点での時価は16億3,700万ドル(約2,600億円)に達しており、取得原価から約2.5倍の含み益を抱えている計算だ。保有量は2024年末時点から変動しておらず、少なくとも2025年を通じて同水準が維持されている。
届出書では保有状況とあわせて、保有に伴う財務への影響も開示された。2024年には暗号資産(仮想通貨)市場の上昇を受けて9億5,500万ドル(約1,518億円)の含み益を計上した一方、2025年には1億1,200万ドル(約178億円)の未実現損失を記録している。
実際に届出書の財務諸表では、ビットコイン
BTCの時価変動分が未実現損益として「その他の収益・費用」に反映されている。ビットコイン価格の動きが同社の損益に直結する会計処理が採用されている格好だ。
スペースXがビットコインを保有する背景として、SNSプラットフォーム「X」を通じた金融サービスへの統合計画が指摘されている。同届出書では、X上で決済や銀行業務を提供する「Money」プロダクトの構想が示されており、将来的に暗号資産をこの金融プラットフォーム上で管理・提供する可能性にも言及されている。
市場推定とのギャップ、コインベースやライオットも上回る保有規模
アーカム・インテリジェンスやビットコイントレジャリーズといったオンチェーン分析プラットフォームでは、スペースXのビットコイン保有量は8,285BTCとされており、届出書に記載された保有量とは大きく乖離している。
届出書の保有量が確かであれば、スペースXは非公開企業としては最大のビットコイン保有企業となる。さらに公開企業と比較しても、コインベースやライオット・プラットフォームズなどの主要企業を上回る保有規模となっている。
宇宙事業とAIに加え、スペースXは暗号資産を成長戦略の一角に据えている。同社のビットコインを軸とした暗号資産戦略が上場後の業績や投資家の判断にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向が注目されそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.9円)



