マイナンバーカード連携のウォレットを開発するマイナウォレット社は21日、マイナンバーカードを使うデジタル資産ウォレット「マイナウォレット」を、App StoreとGoogle Playで一般提供開始した。カードをタッチして本人確認を行い、ステーブルコインや暗号資産(仮想通貨)、NFTを管理できる。
本人確認済みのノンカストディアルウォレット

マイナウォレットの特徴は、本人確認と自己管理を両立させた点にある。マイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)で所有者を厳密に確認しながら、秘密鍵はユーザー自身が保有するノンカストディアル型を採る。ユーザーは口座作成時に登録したパスキーでウォレットを操作する。
本人確認ありというと事業者が資産を預かるカストディアル型を連想しやすいが、この設計はそれとは異なる。厳密なKYCを済ませつつ、資産の管理権限はあくまで利用者の手元に残る。
ブロックチェーン特有の使いにくさを抑える工夫も盛り込まれた。ステーブルコインやトークンの送受信にかかるガス代は同社がスポンサーするため、利用者は手数料の準備なしに使い始められる。ただし、対象となるチェーンや手数料、回数には条件がある。
秘密鍵の紛失という自己管理型の弱点にも対応した。イーサリアムの規格であるAccount Abstraction(EIP-4337)と公的個人認証を組み合わせることで、端末や秘密鍵を失っても口座を復旧できる。マイナンバーカードと対応スマートフォンがあれば、最短1分で口座を作成できるという。
アプリでできるのは、ステーブルコイン・トークンの送受信、NFTの管理・送受信、保有資産推移の表示だ。対応チェーンはイーサリアム、ポリゴン、アバランチ、ベース、オプティミズム、アービトラムの6つで、今後順次拡大する。
対応OSはiOS 16.4以上とAndroidで、いずれもNFC Type-B対応端末が必要となる。
自治体連携やタッチ決済「マイナペイ」も視野
同社は改正資金決済法によるステーブルコインの制度整備を背景に挙げ、高齢者や子どもを含む幅広い層が使えるユーザー体験を課題としてきたと説明する。約1億枚が発行されているマイナンバーカード(スマートフォン搭載分は約800万枚、6月26日時点)を接点に選んだ。
これまで実証実験の場で検証してきたウォレットを、日常的に使える形で一般提供する。
今後は、このアプリを起点に用途を広げる方針だ。自治体と連携したデジタル地域通貨や給付金のステーブルコインによる配布、本人確認済みユーザー基盤に第三者サービスが接続するミニアプリプラットフォームなどを挙げる。
マイナンバーカードによるタッチ決済・QRコード決済「マイナペイ」も計画しており、現在は実証実験で検証中だとしている。
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