暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの共同創業者であるサム・バンクマン=フリード氏が、トランプ米大統領に対する恩赦を正式に申請したことが明らかになった。8日のブルームバーグの報道に加え、米司法省の恩赦関連データ上でも同氏の申請が確認されている。
控訴審と恩赦申請、2つの救済を求める形に
米司法省の恩赦関連データでは、申請番号「P338490」として「BANKMAN-FRIED, SAMUEL BENJAMIN」の記載が確認できる。申請区分は「刑期満了後の恩赦」、ステータスは「保留中」となっており、2026年時点で審査中の案件として扱われている。
この申請が注目される背景には、FTX破綻をめぐる事件の大きさがある。バンクマン=フリード氏は、FTXの破綻をめぐる詐欺事件で有罪となり、2024年に25年の禁錮刑を言い渡された。ブルームバーグはFTXの破綻によって貸し手や顧客、投資家に100億ドル(約1.6兆円)の損害が生じたと伝えている。
ホワイトハウスの報道官は今回の申請についてコメントを控えており、今年1月にトランプ大統領が「恩赦する予定はない」と述べていたとされる発言に言及するにとどめたという。米司法省の報道官もコメントを控えている。
なお、バンクマン=フリード氏は現在、ニューヨークの連邦控訴裁で有罪判決と量刑の取り消しを求めている。ブルームバーグによると、控訴裁の判断はいつ出てもおかしくない状況だという。今回の恩赦申請により、同氏は裁判所での争いを続けながら、大統領判断による救済という別の手段でも望みをつないでいる形だ。
「絶対に恩赦を望む」、電話取材で量刑の不満も漏らす
バンクマン=フリード氏は恩赦へ強い期待を示している。同氏はフォックス・ビジネスの電話インタビューで恩赦を望むか問われると、「絶対に」と回答。しかし、「最終的には大統領次第で自分が決めることではない」と付け加えた。一方で、家族などが政権に働きかけているかについては、「彼らのことは話せない」として明言を避けている。
また、同氏は「ユーザー資金を盗んでいない」「顧客には預け入れ額の約170%が返済された」とも述べ、有罪判決への不満も改めて口にした。その他、インタビューではAIブームに関われていないことへの懸念にも触れ、「外にいればその分野に貢献したかった」との考えも吐露している。
トランプ大統領が実際に恩赦を検討するかどうかは依然として不透明となっている。控訴審の結果とあわせて、今後もバンクマン=フリード氏をめぐる法的な攻防が市場からの注目を集めそうだ。
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