米証券取引委員会(SEC)は29日、偽の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム「ナノビット」に関連するSNSを活用した投資詐欺をめぐり、4法人と2個人に対する最終判決を得たと発表した。ニューヨーク東部地区連邦地方裁判所は16日、SECが2024年9月に提起していた訴訟についてデフォルトによる最終判決を下している。
偽のSEC登録ブローカーを名乗り投資家を勧誘
SECの訴状によると、スキーム参加者は2023年9月から2024年6月まで、WhatsAppグループで金融業界の専門家を装い、ナノビットへの投資を勧誘した。ナノビットは関連会社がSEC登録ブローカーであるかのように示し、架空の初期コイン募集を通じて高いリターンを得られると説明していたとされる。
しかしSECは、ナノビット上で実際の取引は行われていなかったと主張。投資家資金はスキーム参加者に流れ、香港の銀行口座には200万ドル超(約3.2億円)が送金されたほか、数十万ドル相当の暗号資産が不正流用されたという。
最終判決では被告らに対し、証券法1933年法や証券取引所法1934年法に基づく反詐欺規定への違反を今後も繰り返さないよう、恒久的な差止命令が出された。
支払い命令ではナノビット・リミテッドに対し、不当利得の返還53万2,649ドル(約8,630万円)、判決前利息8万1,957ドル(約1,330万円)、民事制裁金118万2,251ドル(約1.9億円)が命じられた。そのほかの法人・個人にも、民事制裁金や不当利得の返還などが命じられている。
SAFTの虚偽表示も標的に、暗号資産関連の監視の目を光らせる
SECの執行は、ナノビットのような投資詐欺に限らない。今年4月には、暗号資産「ビットコイン・ラティナム(LTNM)」の創設者とされるドナルド・ベイシル氏と、同氏が支配するジーアイビーエフGP、モンスーン・ブロックチェーンを提訴した。
同件では、将来トークンを受け取る権利を投資家に販売するSAFTをめぐり、LTNMが「世界初の保険付きデジタル資産」などと虚偽表示したとされる。SECは、保険会社による保険が存在しなかったと主張している。
SECはSAFT募集での虚偽表示に加え、SNSを通じた投資詐欺への監視体制も強めている。今後も暗号資産関連商品の表示をめぐる当局の判断が引き続き注目されそうだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=162.1円)



