米証券取引委員会(SEC)は、2026年の規制計画で暗号資産(仮想通貨)に関する複数の規則提案を検討対象に掲げた。暗号資産の募集・販売、市場構造、ブローカーディーラー規則の見直しが含まれており、いずれも2026年7月に規則案公告(NPRM)が予定されている。
募集・販売、市場構造、仲介業者規則を整理へ
この規制計画は、米行政管理予算局(OMB)傘下の情報規制問題室(OIRA)が2025年9月に公表した統一規制アジェンダの一環だ。SECのポール・アトキンス委員長は同日の声明で「アジェンダはイノベーション、資本形成、市場効率、投資家保護を支える姿勢を反映したものだ」と述べた。
SECの企業金融部門はその中で、暗号資産の募集・販売に関する規則提案を検討している。規則案には一定の免除やセーフハーバー(規制違反とみなされない保護措置)が含まれる可能性があり、資本形成やイノベーションに対応しながら、投資家保護に必要な情報提供を確保する狙いがある。
また、市場構造に関する改正も対象となっている。SECの取引市場部門は、代替取引システム(ATS)や国法証券取引所での暗号資産取引に対応するため、取引所法規則の改正を委員会に勧告する可能性があるという。
ただし、これらはいずれも規則案の検討段階にとどまり、具体的な条文や対象範囲はまだ示されていない。免除やセーフハーバーについても、導入が決まったわけではない。
ブローカーディーラー規則も暗号資産対応へ
SECはブローカーディーラー規則についても、暗号資産への適用を明確にする改正を検討している。対象には、規則15c3-1、15c3-3などの財務責任規則に加え、17a-3、17a-4などの記録保存・報告規則が含まれる。
実務上は、暗号資産を扱う仲介業者に既存規則をどう適用するかが論点だ。これらの項目はいずれも「提案規則段階」にあり、SECは規則案の策定過程で費用や便益、その他の経済的影響を評価するとしている。
7月に予定される規則案は、米国の暗号資産規制の方向性を見極める材料となる。募集・販売に関する免除やセーフハーバーの有無、市場構造改正の対象範囲が次の焦点となりそうだ。
関連:米SEC、偽暗号資産取引所「ナノビット」詐欺で最終判決──約1.9億円の制裁金命令
関連:暗号資産の最大の理解者がSECを去る──「クリプト・マム」パース委員が年内退任



