AIエージェント決済基盤のKite AI(カイトAI)は19日、SMBC日興証券とAI企業Hataproの合弁会社「Proof of Japan」と連携し、AIエージェントが旅行を予約・決済するデモ「Flattora(フラットラ)」を公開したと発表した。利用者が定めた予算の範囲内で、AIが日本各地の体験を見つけ、予約から支払いまで自律的に行う。
AIが地方の体験を予約・決済
家族経営の旅館や地域の工芸体験、食文化、季節の祭りなど、日本の魅力的な旅行体験の多くは、海外の旅行者には届きにくい。提供者が日本語のプラットフォームに分散し、予約も複雑で、海外の決済手段が最後の段階で使えないことも多いためだ。
FlattoraはAIコンシェルジュ「ZUKKU」を通じて、こうした体験を仲介する。AIが体験を提案し、利用者が内容と予算を承認すると、以降の購入はZUKKUが設定ルールの範囲で自律的に処理する。各取引はブロックチェーン上に記録され、透明性を確保するという。
「カイト・パスポート」で支出を制御
決済基盤を担うのがKite AIだ。同社の「Kite Passport(カイト・パスポート)」は、AIエージェントに権限を限定したウォレットを与える。利用者は1回の取引で承認なしに処理できる上限額と、旅行全体の予算を設定し、AIはその範囲内でのみ動く。
これは、AIに無制限の資金アクセスを与えず、カード情報をそのまま使わせず、検証可能な記録を残すという、エージェント決済の信頼性の課題に対応する設計だ。デモでは、ZUKKUのエージェントとホスト側のエージェントが直接やり取りして決済する、エージェント間(A2A)決済も実演された。
Kite AIは、アバランチL1上に構築されたEVM互換のブロックチェーンで、AIエージェント向け決済に特化する。コインベースが提唱する決済規格「x402」をいち早く取り入れ、ペイパル・ベンチャーズやコインベース・ベンチャーズから出資を受けている。
ただし、今回はあくまでデモであり、商用サービスではない。両社は、今後の段階として実際の加盟店との連携や本番レベルの決済フロー、利用者保護の枠組み、規制対応の審査が必要だとしている。AIエージェントが自律的に支払う「エージェント決済」が、旅行分野で実際にどこまで広がるかが今後の焦点となる。
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