AIエージェント向け決済インフラを開発するKite AI(カイトAI)は30日、アバランチL1上に構築された決済基盤「Kite Mainnet(カイト・メインネット)」の正式稼働を発表した。AIエージェントによる自律的な決済が課題となるなか、同ネットワークはその解決に特化した専用インフラとして開発されている。
AIエージェント専用パスポートで秘密鍵不要の自動決済を実現
カイト・メインネットは、EVM互換のブロックチェーン(Kite L1)を中核に、AIエージェントのID管理や権限制御、開発者向けインターフェースを含む3層構造で設計されている。従来のブロックチェーンが人間の操作を前提としてきたのに対し、同ネットワークはAIが主体となって動く経済活動に焦点を当てている点が特徴だ。
開発背景には、AIエージェントが抱える課題がある。現在のAIは情報収集や分析、APIの利用など多くの作業をこなせるものの、決済シーンで処理が止まってしまうケースが多い。クレジットカードや秘密鍵を直接渡すのは高リスクで、取引のたびに人間が承認するのではAIエージェントの自律性が失われてしまう。
カイトはこうした課題に対し、エージェント専用の認証・権限管理基盤「カイト・エージェントパスポート」を提供。ユーザーが上限額や有効期限などの条件を一度設定すれば、AIエージェントがその範囲内で自動的に決済を行う。
AIエージェントはパスポートを通じて決済権限のみを受け取るため、ユーザーのカード番号や秘密鍵そのものにアクセスすることはない。条件外の取引もブロックされる仕組みとなっている。
また、少額・高頻度の決済にも対応しており、稼働の初期段階ではカイト側がガス代を全額負担するため、ユーザーによる負担は発生しない。具体的な活用例としては有料APIの自動決済、条件付きでの商品購入といったAIエージェントによる自動処理が挙げられている。
テストネットの実績経て本番稼働、アバランチも推進姿勢を示す
今回のメインネットは、テストネットでの大規模な運用実績を経て公開された。アバランチの発表によると、テストネット期間中のAIエージェントによるインタラクション総数は19億回超。1日あたりのピークでは3,000万件のコールと3億件のトランザクションを処理しており、参加アドレスは5,100万、ユーザー数は2,000万人を超えたという。
アバランチは28日、公式Xでカイト・メインネット稼働を取り上げ、AIエージェントがオンチェーンで高頻度な経済主体として機能する未来に言及。「従来のブロックチェーンアーキテクチャでは対応できない種類の需要だ」と指摘し、専用の実行環境を備えたインフラの必要性を強調している。
AIが「答える存在」から「実行する存在」へと進化する中で、決済の仕組みも変化が求められている。カイト・メインネットの本格稼働は、その流れを後押しする動きとして注目されそうだ。
関連:サークル、AIエージェント向け超少額決済を近日ローンチ──Arc メインネットとトークン発行が間近
関連:AIに「身分証」と「信用スコア」発行する新規格、Kite AIが決済基盤に
関連銘柄:
KITE
AVAX




