暗号資産リサーチ企業の10x Research(テンエックス・リサーチ)は8日、週次レポート「Weekly Crypto Kickoff」を公表し、先週のビットコイン急落はレバレッジ市場の清算ではなく、現物市場での売りが主導したとの分析を明らかにした。
急激な調整と高出来高がロスカットを示唆、ファンディングレートは上昇
レポートによると、先週の暗号資産市場全体の時価総額は前週比14.5%減の2.13兆ドル(約341兆円)に縮小した。一方で、週平均取引量は1,170億ドル(約18兆7,000億円)と平均を47%上回り、ビットコイン
BTCの週間取引量も473億ドル(約7兆5,700億円)と平均を61%上回った。この急激な価格調整と高い出来高は、市場参加者のロスカット(損切り)が発生したことを示唆している。
市場では、今回の下落がレバレッジトレーダーのショート(空売り)やロングポジションの清算によるものだという見方が広がっていた。しかし、10x Researchのデータは異なる実態を示している。ビットコインのファンディングレート(資金調達率)は今週0.9%上昇して5.7%となり、過去12ヶ月の38パーセンタイルに位置している。また、ビットコイン先物のオープンインタレスト(未決済建玉)は35億ドル(約5,600億円)減少して210億ドル(約3兆3,600億円)となったものの、依然として30パーセンタイルの水準を維持している。
イーサリアムについても同様の傾向が見られる。週間取引量は232億ドル(約3兆7,100億円)と平均を77%上回ったが、ネットワーク手数料は0.14 Gwei(過去19パーセンタイル)にとどまっており、ネットワークの利用率自体は低い状態が続いている。イーサリアムのファンディングレートは今週21.2%下落してマイナス6.6%(過去12ヶ月の1パーセンタイル)となり、先物のオープンインタレストは19億ドル(約3,000億円)減少して101億ドル(約1兆6,100億円)となった。
これらのデータから、10x Researchは「売りの大半はレバレッジトレーダーのショートではなく、現物市場から発生している」と結論づけている。ビットコインはテクニカル的に売られすぎの領域に入っており、今週初めに短期的な反発が起こる可能性が高いと予測しているが、この安堵感からの反発を本格的な回復と混同してはならないと警告している。
先週の急落局面において、市場の一般的な認識とは異なり、現物市場での売りが主導していたという分析は、今後の市場動向を予測する上で重要な視点となる。テクニカル指標が売られすぎを示唆する中で、短期的な反発が本格的なトレンド転換につながるか、引き続き現物市場の動向を注視する必要がある。
関連:ビットコイン下落継続、月足陰線ほぼ確定──「まだ途中段階」と「ブルトラップ完成」の分析
関連:著名オンチェーン分析家「ビットコイン底値は4.6万〜5.4万ドル」
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160円)



