ステーブルコインUSDTの発行元企業「テザー社」、過去最高の純利益を叩き出し、驚異的な成長を続ける
ステーブルコインUSDT(テザー)発行元企業「Tether Holdings Limited」は1日、2024年第1四半期の保証意見書および連結準備金報告書を公表した。純利益は過去最高の45.2億ドル(約7,120億円)で、超過準備金もまた過去最高の63億ドル(約9,935億円)を記録した。
テザー社、2024年第1四半期決算を発表:過去最高の45億2,000万ドルの利益、過去最高の財務省証券保有率、113億7,000万ドルのグループ資本を報告
この驚異的な純利益の主な貢献主体は、10億ドルは準備金の米国債の利回りから、残りはビットコインとゴールドの時価評価益だ。
Tether社の総資産は約1,102億ドル(約17兆円)で、総負債は約1,040億ドル(約16兆円)で、過去最高の63億ドル(約9,935億円)の超過準備金となっている。総負債はほぼ全額、発行されたデジタルトークンに関連するものだ。
総資産の内訳は、大部分が米国債であり直接的・間接的なエクスポージャー合わせて約900億ドル(約14兆円)に上る。2023年第4四半期から10億ドル増加しており、米国債の準備金に占める割合は過去最高となった。

(本記事筆者によりDeepLで翻訳)
出典:報告書
テザー社は、「透明性への揺るぎない献身」として、今回グループ全体の純資産が約113億ドル(約1.7兆円)であることを初めて明らかにした。発表によると、これは2023年末日時点の自己資本70億ドル(約1.1兆円)から顕著に増加しているという。
テザー社のCTOであるPaolo Ardoinoは 、プレスリリースで次のように述べた。
「2024年最初の認証により、テザー社は透明性、安定性、流動性、責任あるリスク管理への揺るぎないコミットメントを示しました。この最新報告書に示されているように、テザー社は45.2億ドルという新たな利益基準で記録を塗り替え続けており、これは同社の圧倒的な財務力と安定性を反映しています。」
非常に景気の良い話ではあるが、テザー社が本当にこのような金満経営なのかは疑問が残る。
なぜなら、本報告書を書いたBDOは「2024年3月31日の時点に限定して検証しており、この日時の前後または報告書に記載された日時以外における財務上、非財務上の手続きは実施しておらず、いかなる保証もしない」という旨を注記しており、テザー社が普段どのような財務状況なのか、誤りや粉飾はないか「完全な監査」は行われていないからだ。
関連:Bitwise、ビットコイン価格が280%上昇し25万ドル超えを予測
関連:仮想通貨投資商品から3週連続の資金流出|グレースケール以外も低調